東京や埼玉で家づくりを手掛ける岡庭建設(東京都西東京市)は、現場作業者の資格や就業履歴を記録する国交省の建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベル判定を採用し、社員大工の人材育成と定着に成功している。現状社員大工が13人在籍し、同業他社と職人の貸し借りまでスタートさせている同社の取り組みについて池田浩和専務に聞いた。
8年で1棟建てるレベルへ
「教える側を教える」
システム化で人材定着
池田浩和専務
──職人の評価制度を取り入れたのはいつ頃で、どんなきっかけだったのでしょうか。
初めて社員大工を採ったのは20年ほど前です。当時から大工は減っていく一方と言われていて、自社で社員として抱えることが重要だと思いました。採った社員が優秀で、1級建築士の資格を取って2年ほどで1棟建てられるようになったんですね。ただ、会社側に職人の技量やマナーなどを評価する軸がありませんでした。12年ほど前にCCUSの前段のような国の補助事業があり、その資料をもとに社内で評価基準を作ることにしました。丸鋸が使えるか、マナーや就業時の態度はどうかなど約100項目を評価する制度を整備しました。
──具体的にどのように落とし込んでいったのでしょう。
われわれ役員は技量面を判断することができないので、5、6年前にCCUSの項目に準拠する形で評価基準を設けました。CCUSはレベル1〜4の判定基準があり、レベル1が見習いで、2に上がるには3年以上の期間と所有する資格が必須です。3と4がマネジメントできるレベルですね。
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