グッディーホーム 卯月 靖也 社長
迷惑がられる定期訪問は行わない
自分の営業マン時代に、日々の業務のなかでのOBフォローが難しかった経験から、自社では、営業マンごとのDMセットなど細かい管理を、"スーパー事務員"に任せている。また、営業マンによる定期訪問はあえて行わないよう指示するのも同社独自の考えだ。
「急な訪問はやはり迷惑でしょう。アフターフォローの一環としての点検業務も、瑕疵保険などで担保されているので行わない。OB宅訪問は基本的に年末挨拶だけ。その代わり、工事中は施主宅を徹底してフォローするよう話しています」(卯月社長)。
OB客との関係では面白いエピソードが。先日、同社の社内研修の講師を務めたのが、卯月社長自身が20年来付き合いのあるOB客。そのOB客は創業前に、卯月社長が住宅会社でサラリーマンを経験した際、最初の営業で新築を担当したお客さんだそう。
「そのお客様は現役時代に人材教育に携わっていた方だったので、当社の"強み・弱み"について社員とともに分析してもらいました。財務状況など会社の裏の裏まで知られてしまいましたが、お客様とここまでの付き合いができるのは本望ですね」(卯月社長)。
このOB客とは、住宅会社を離れてからも年末の挨拶は毎年欠かさず、20余年で小工事を含め7、8回の受注をもらったという。
「OB宅に当社のカレンダーが飾られているのを見るのもうれしいことです。ただ、下の社名の部分を切り取る方もいます(笑)」(卯月社長)
カレンダー配りが年末の風物詩に
12月に入ると、全社を挙げてOB宅へのカレンダー配りが始まる。同社のOB顧客は約2500名いるが、今でも社長自らが200名のOB宅を回る。「当社ではアフター点検も行わないので、訪問は年にこの1回だけ。年末挨拶は本当に大変ですが、私は楽しみで仕方ない。お客さんが待っていてくれるからです。こうした気持ちを営業社員にも早く味わってほしいですね」(卯月社長)。
アポイントなしでOB宅を車で回るが、半分以上が在宅し、お伺いをたてずともお客さんのほうから、家の様子やリフォームの要望を話してくれるという。その後2年以内に20件もの受注がとれる。
OBフォローの掟
- (1) "スーパー事務員"が強力に後方支援
- (2) DM送付は「あれ?案内こない」という絶妙のタイミングで
- (3) OB宅訪問は年末だけ。 点検訪問は行わない
この記事は、 『リフォーム営業マンを応援するビジネス誌 リフォームセールスマガジン』から抜粋しました。オンライン書店「リフォームブックス」で購入できます。
