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"ひとりでできた!"自立支援型リフォー...

"ひとりでできた!"自立支援型リフォーム ~アイデアリフォーム事例~

リフォームセールスマガジン 2018年1月号
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リフォームセールスマガジン

電動の玄関引戸と広々玄関で車椅子での外出が快適に!

今回紹介するのは、生まれつきの障がいのため足が不自由で、車椅子の生活を送る小学1年生の女の子・南野裕月歩(ゆづほ)ちゃんのための、自立支援型リフォームだ。車椅子でも出入りがしやすい玄関アプローチや、室内や浴室・トイレに設置した手すりのおかげで、これでまの生活が一変。安全で快適な生活が送れるようになった。

施工したのは...

RSM2018年1月号 ハートステーション 高田 修代表ハートステーション (東京都練馬区) 高田 修代表

バリアフリーリフォーム専門店として2001年に創業。2級建築士、福祉住環境コーディネーター1級、福祉用具専門相談員の資格を持つ。近年は高齢者の介護リフォームだけでなく、障がいをもつ人のためのリフォーム提案にも注力している。

お施主様は...

南野さん 御一家

RSM2018年1月号 南野さん 御一家5人のお子さんがいる大家族。左端から時計周りにご主人の南野恒久さん・長女の裕梨音さん・次男の恒進くん・奥さんの裕子さん・次女の裕香莉さん・三女の裕月歩さん・長男の恒心くん。日頃車椅子を利用する三女・裕月歩さんの小学校進学をきっかけに、家族の介助なしでも自立的な生活が送れるようリフォームを行った。

車椅子の置き場所を変えただけで快適に

 南野さん一家が車椅子を利用する裕月歩(ゆづほ)ちゃんのためのリフォームを考え始めたのは、裕月歩ちゃんが小学校に上がるタイミングだった。

 リフォーム前は玄関に車椅子を置くスペースがなく、外出の際は家の外に置いている車椅子まで裕月歩ちゃんを抱き抱え車椅子に乗せていた。誰かの介助なしでは1人での外出が困難で、さらに雨の日は車椅子が雨ざらしにならないよう車の中に保管するため、使用の際は外に出て出し入れする必要性があり不便だった。

 南野さん夫婦は共働きだ。小学校に進学した結月歩ちゃんは、放課後を送迎付きの児童デイサービスで過ごすようになった。そのため、一人で家を出入りできるなど、自立的な生活が送れるようなリフォームを本格的に検討することになったのだ。

 今回のリフォームでは、玄関スペースを0.75坪広げ玄関内に車椅子の置き場所を確保。さらに玄関の段差をなくしスロープも新設。玄関はなんと電動タイプの引戸だ。これにより帰宅後、1人で玄関の中に入り、手すりを使って自力で家の中に入れるようになった。車椅子の置き場所が出来たことで、これまで困難だった、「一人で家を出入りする」ことが可能に。南野家のリフォームをさらに詳しく見ていこう。

RSM2018年1月号 リフォームのポイント

(1) アプローチ

「1人で家を出入り」を実現した玄関・アプローチ

元々玄関ポーチだった場所を玄関スペースとして0.75坪拡充。車椅子の置き場所を玄関内に確保したことで以前と比べて家への出入りが格段に快適になった。スロープの新設はもちろん、電動の玄関引戸はご主人である恒久さんたっての要望だ。

RSM2018年1月号 玄関の段差があり、さらに通常の玄関ドアでは車椅子での出入りが困難だった玄関の段差があり、さらに通常の玄関ドアでは車椅子での出入りが困難だった。自転車の置き場も課題の1つだった。

RSM2018年1月号 玄関の段差をなくしスロープに玄関の段差をなくしスロープに。大きな屋根があるため、雨の日でも濡れずに家の中に入れる。また、電動の玄関引戸で車椅子での出入りがより便利に。カードキーなのも嬉しい。多少費用がアップしても、毎日の負担を減らしてあげたいという裕月歩ちゃんへの思いが詰まったリフォームだ。

RSM2018年1月号 玄関ポーチ部分を玄関スペースとして拡充する案が採用された


(2) 玄関の中

収納量も格段にアップ!

7人の大家族のため、車椅子置き場の確保だけではなく、玄関周りの収納量をアップさせることも今回のリフォーム課題だった。増築した玄関スペースの上部空間は吊戸棚を設置し、収納量が格段にアップした。

RSM2018年1月号 以前は車椅子を玄関の外に置いていた南野家以前は車椅子を玄関の外に置いていた南野家。リフォームで玄関を0.75坪拡げ、車椅子置き場を確保。車椅子を外から持ってくる必要がなくなったため、裕月歩ちゃんが外出する際のサポートがぐんと快適になった。

RSM2018年1月号 玄関が広くなった ため、靴を履かせ てあげる動作もラクに

街で見かけた女の子がリフォームのきっかけ

RSM2018年1月号 街で見かけた女の子がリフォームのきっかけ 裕月歩ちゃんの生活に今後車椅子が必要になるかも知れないと分かったのは、裕月歩ちゃんが生後1歳半の頃だった。ちょうどその頃、朝の通勤のため夫婦で車に乗っている時に見かけたのが、車椅子に乗っている少女Nちゃんの姿だった。年月が流れていく中、車椅子でありながらも、1人でバスに乗って通学したり、雨の日もカッパを着て傘を差し立派に外出している姿を何度も見かけた。「今はサポートが必要だけれども、娘もいつかNちゃんの様に1人で外出できるようになるのでは...」と南野さん夫婦は勇気付けられた。

 小学校進学のタイミングで本格的に家のリフォームを検討するようになった南野家。インターネットでリフォーム会社を探していた時に目に止まったのが、ハートステーションのホームページだ。何故なら、あの車椅子の女の子・Nちゃんとそのご家族が施工後の事例インタビューに満面の笑で登場していたからだ。早速問い合わせると、高田社長から即座に連絡が。他にも数社見積もりを取り寄せていたが、すぐに依頼を決めた。「車椅子に乗っていても、出来るだけ不自由の少ない楽しい生活を送って欲しい」そんな家族の思いが引き寄せた出会いだった。

リフォームセールスマガジン(リフォマガ)2018年1月号 表紙リフォームセールスマガジン
2018年1月号

【特集
もう失敗しない 壁紙提案
―みんなの体験談と実践事例から学ぶ―
PART1 あるある壁紙事件簿集
PART2 営業マン・プランナーたちのお気に入り壁紙

【第2特集】
第34回 住まいのリフォームコンクール
受賞者に聞く 施主の想いを形にするプラン作りと完成秘話

【好評連載】
◎住設リフォームガイド/メガバックス
 第13回 システムバスと梁
◎らくらくスケッチ教室
 つなぐ 鎌田雅春さん 第5回 パースを描く・後編
◎中古リノベーション入門
 第4回 リノベに相応しい不動産選び:総合編 他

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