国が2023年に実施した補助制度「先進的窓リノベ事業」(環境省・経産省主幹、予算1000億円)の事務局は2月14日、交付申請時に不正を行った4社の事業者名を公開した。うちアークホーム(埼玉県さいたま市)ら2社に対しては、事業者としての登録停止処分を課した。
ホームセンター「ビバホーム」などを運営するアークランズ(新潟県三条市)の子会社であるアークホームは、実際には行われていない、または契約に含まれない工事を根拠に交付申請の予約を行い、不当に補助金の予算を確保した。補助金を予約、確保するためには全工事のうち一部分でも着工し、それを証明する必要がある。そのために写真の撮影が行われたが、その工事内容が偽装されたものだった。
例えば、手すりを両面テープで設置し、写真を撮影後に撤去する、というような手口だった。18支店、30人の従業員により69件もの不適切な交付があった。同社担当者は本紙の問い合わせに次のように回答している。「現在、経緯については社内調査中ですので、お答えすることはございません」。同社が不正を行ったのは予約申請時のみで、「本申請時は適切な工事を行い、補助金を受給するに至りました」と説明している。
アークホームの事例では手すりを両面テープで設置し、写真を撮影後撤去された(事務局ホームページより)
クラシック・ファンタジア(愛媛県松山市)も登録停止処分を受けた。提出した2件の申請で、窓の性能(計26カ所)および工事の実施(計13カ所)を偽装。交付に至らなかったものの、約340万円もの補助金の交付を受けようとした。
「故意ではないのですが、バタバタしており、書類の作成を協力業者任せにして、内容をチェックしませんでした。お恥ずかしい限りで、業界全体の信用を損ねるようなことをして申し訳ないです」(同社担当者)。なお、補助金が受けられなかった金額分は自社で負担した、と同社は話す。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
2025/06/20掲載
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1652号(2025/06/09発行)4面