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「中性化抑止」と「連続繊維補強」のハイブリッド型工法で構造物の安全性確保と長寿命化に貢献

「中性化抑止」と「連続繊維補強」のハイブリッド型工法で構造物の安全性確保と長寿命化に貢献

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日本衛生センター(東京都国立市)が開発・提供するハイブリッド型補強工法「SOLID REMAINα(ソリッドリメインアルファ)」は、中性化抑止材「ハイドロ・スカイSKY-SP」と、連続繊維補強工法「SOLID REMAIN(ソリッドリメイン)」を組み合わせた、長期にわたり劣化を抑制する新たなコンクリート補強工法だ。

アルカリ性と耐力を同時付与する次世代コンクリート補強

「中性化抑止」と「連続繊維補強」のハイブリッド型工法で構造物の安全性確保と長寿命化に貢献

ソリッドリメインアルファは、ソリッドリメインの上位版として開発され、構造物へアルカリ性と耐力を同時に付与させることで、持続的な劣化抑制と耐力向上を実現した。この工法に用いるハイドロ・スカイSKY-SPは、けい酸塩系の中性化抑止材。中性化が進んだコンクリートへ塗布することで内部へ含浸し、アルカリ性を付与するとともに組織を緻密化する。中性化などの劣化現象を抑制し、構造物の耐久性向上に貢献する。

ソリッドリメインは、同社が独自開発したエポキシ樹脂と補強型アラミド繊維シートを使用した補強工法で、鉄の8倍という引張強度を持った繊維シートをエポキシ樹脂でコンクリート表面に接着固定させることにより、耐力を向上させる連続繊維補強工法。従来のコンクリート増し打ち工法や鋼板巻立て工法と比較して低コストなうえ、一般的な住宅基礎の補強なら床板を剥がさずに1~2日間と短工期での工事が可能になった。

「中性化抑止」と「連続繊維補強」のハイブリッド型工法で構造物の安全性確保と長寿命化に貢献


擁壁改修工事などにも応用でき、軽量で取り扱いが容易なため大型重機が使えない場所でも施工が可能。地山や既設構造物への影響が最小限に抑えられるため、住宅地内の工事にも適している。老朽化擁壁では外部からの補強が可能で、劣化した母材の除去を最小限に抑えられるといった利点がある。

これまでは連続繊維補強のみで構造物を補修・補強していたが、まず中性化抑止材を塗布し、コンクリートの改質を行ってから補強するというもの。コンクリートの中性化が進行すると内部鉄筋が錆びて爆裂現象が起こり、構造物に深刻な損傷を与える。そのため再アルカリ化させたうえで構造補強を施すことにより長期的な劣化現象の抑制と構造物の長寿命化が見込めるのだ。

東京理科大・髙橋教授総監修の「擁壁改修プロジェクト」に参画

東京理科大・髙橋教授総監修の「擁壁改修プロジェクト」に参画

同社は、東京理科大学・工学部建築学科の髙橋治教授らが立ち上げた「擁壁改修プロジェクト」に、調査・施工担当のパートナー会社として参加している。同プロジェクトは、築50年以上が経過した倒壊リスクのある老朽化擁壁が全国に200万~300万箇所も存在する社会問題を受けたもの。連続繊維補強工法の技術的優位性が、擁壁改修工事でも高い効果を発揮するとして、同社が推奨していたことから連携に至った。今年9月には、東京都杉並区の住宅地で高さ4~5mの擁壁が崩れ上部の木造住宅が倒壊する事故も発生、各地で老朽化擁壁の安全性確保と長寿命化のための改修工事が急務となっている。

土木学会の「連続繊維シートを用いたコンクリート構造物の補修補強指針」でも力学的性能の回復と向上を明記しており、補修・補強後の耐久性維持と使用期間延長につながる可能性が示されている。また、維持管理周期を延ばすことでライフサイクルコストも低減できる。

「中性化抑止」と「連続繊維補強」のハイブリッド型工法で構造物の安全性確保と長寿命化に貢献

髙橋教授が総監修する「老朽擁壁・ブロック塀の診断プロジェクト」では、同社をはじめとする施工会社や構造設計を得意とする一級建築士事務所、素材メーカーが連携し、それぞれの得意分野で役割を担い、産学民連携での補強による改修と擁壁診断・改修設計の相談を受け付けている。単なる補修ではなく「再び崩れない構造」を社会に示し、持続的な安全確保や、不安につけ込む悪質な施工業者からの被害を減らすことも重要な課題に挙げて、学術的根拠に基づいた取り組みを続けている。住宅リフォームにとって身近な、老朽化擁壁の安全性確保や改修補強にも積極的に活用したいものだ。

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