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中古住宅流通拡大へ新基準国交省、リフォームの価値も評価

中古住宅流通拡大へ新基準 国交省、リフォームの価値も評価

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 国土交通省はこのほど、「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」の報告を受け、評価基準見直しに乗り出す。国交省はこれにより、欧米に比べ大きく出遅れている中古住宅の流通拡大に弾みをつけたいとしている。

 国交省は、中古住宅流通・リフォーム市場の整備に向けた取り組みとして、「中古住宅・リフォームトータルプラン」を既に公表しており、その中で、「中古住宅評価の適正化」に言及している。

 これを受け、学識経験者による「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」(座長・中城康彦明海大学不動産学部教授)を設置。今年3月から3回にわたって議論を重ね、リフォーム業界等からヒアリングも経て、先ごろ報告書を公表した。

 同研究会では、日本の中古住宅・リフォーム市場の課題として、建物評価法を取り上げ、「現行は一律に経年減価し、築後20年程度で建物部分を"価値ゼロ"と見なす、一律原価法が取られている」と指摘。「欧米で行われる、改修による耐用年数の向上等も評価する方向に改めれば、住宅ストック市場が形成され、住宅を転売して住み替える動きが促される」と強調している。

(上図)現行の一律原価法では、築後20年程度で建物部分は(下図)評価基準を見直し、リフォームも評価して転売可能に
(上図)現行の一律原価法では、築後20年程度で建物部分は"価値ゼロ"に
(下図)評価基準を見直し、リフォームも評価して転売可能に

 さらに、報告書の工程表で、今年度の取り組みとして「リフォームした既存住宅を長期優良住宅として認定・評価するための基準等の整備」が盛り込まれた。一方、金融機関をはじめとする中古流通市場関係者等による「中古市場活性化ラウンドテーブル(仮)」の設置も要請。

 国交省では、報告を受け、「中古住宅市場活性化」に向け作業チームを立ち上げ、中古住宅評価法を抜本的に見直し、基準整備に乗り出す方針。作業チーム立ち上げの時期について「なるべく早期に立ち上げることで調整しており、順調に進めば今年度中に新基準整備に着手する」(国交省住宅局住宅政策課)としたうえで、「後段階として、まず宅建業者向けの価格査定マニュアルを作成する」(同)と具体的な流れを説明している。

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