年々性能向上リフォームが注目を浴びる中で、自社の社屋をリノベーションし、技術力、社内の快適さをアピールする企業が出てきた。アピールするのはZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)。昨年、北海道と福岡県の有力工務店が手掛けた本社リノベーションから、その特徴と改修理由を尋ねた。
棟晶(北海道札幌市)
31%のエネルギー創出
北海道を地盤に性能向上リフォームなどを手掛ける棟晶(札幌市)は、昨年9月に本社移転した。そのオフィスは既存ビルをリノベーションしたもので、省エネ71%減とZEB化を実現した。
ZEBを達成した新本社外観
このオフィスの特徴は、地中熱ヒートポンプ冷暖房システムと、ソーラーパネルを活用した創エネルギーの活用。これにより、電力費の削減と外気温に左右されない安定した室内温度を可能にした。
地中熱ヒートポンプ冷暖房システムは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの支援を得て、北海道大学工学部と共同開発した。ヒートポンプの熱源に地中熱を活用するもので、1年を通じて安定した地熱を活用できる。その結果、熱を作り出す電力を減らすことができる。
さらに壁面にはソーラーパネルを張り、これが新たに31%のエネルギーを生む。地中熱ヒートポンプシステムで消費電力を減らし、ソーラーパネルで電力を創出する。省エネ71%と創エネ31%の計102%でZEB化を達成した。
「CO2の排出量も改修前から17.5t削減し、ランニングコストも省エネで44%、創エネで34%削減できました。仮に私たちのビルが延床面積1300平米以下の全国の小規模事務所ビルに普及すれば、日本全体でCO2が97.5億t減ると試算しています」(齊藤克也顧問)
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