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「オフィスは、デザインで不動産価値を大きく伸ばすことができる」。そう話すのは、リアルゲイト(東京都港区)の岩本裕社長。飲食、イベントのプロデュース事業で成長するトランジットグループで、主にシェアオフィスの設計・運営を担当。これまで30棟を運営、どの物件もほぼ満室で、約1000法人が契約している。
3、4人の企業での利用を想定したモデルルーム
倍の賃料でも入居者殺到
2016年12月に東京・麹町にオープンした「THE MOCK-UP」は、全4階、築24年の元県営ホテルを1億8000万円かけてリノベーション。物件の来歴を生かし、「ホテル」をコンセプトとした37区画のシェアオフィスとした。
「THE MOCK-UP」の外
1階のエントランスを抜けると、受付・ラウンジスペースが現れる。淡い色合いのタイルで、ニューヨークのシティホテルのように、上品かつクラシックに仕上げた。各企業の専有部以外にも、トイレ、ランドリー、シャワールームを完備。されに有料で使用することができるゲストルームを用意している。
専有部の広さは、14~44平米がメーンで、3~20人ほどの小規模企業がターゲット。賃料は、1階14平米のもので14万円。近隣オフィスやSOHO向けマンションと比べると、倍近い価格設定だ。しかし同物件では、オープン前から入居者が決まり、現在もほぼ満室状態にある。
ホテルらしい設計にした「THE MOCK-UP」の受付
なぜ高い価格でも、入居者が集まるのか。岩本社長は、「まず水まわりや打ち合わせスペースが共有されているので、専有部が狭くなっても意外に不自由なく使える。さらに格好いい空間で働けることや、打ち合わせスペースを使えることは企業にとって大きなプラスになる」と話す。
成長途上にあるベンチャー企業にとって、ハイセンスな場でクライアントや投資先をもてなすことは、ビジネスチャンスを大きく広げる要因になり得る。また各社が頭を悩ます人材採用にも、「格好いいオフィス」は効果的だ。
オフィス内に設けた有料のゲストルーム
設計・運営・集客まで
同社は2009年に設立。当初はシェアオフィスの運営をメーンに行ってきたが、2013年から自社で企画から設計、入居募集まで行うようになった。多くの場合、不動産オーナーからマスターリース(転貸を前提とした1棟借り)し、コンセプトづくり、設計、集客、運営とすべてを担当する。
ベンチャーなど小規模企業が多いこともあり、運営にも工夫がある。例えば、通常、退去する場合は半年ほど前に告知する必要があるが、同社では1カ月、または2カ月前の告知でよいとしている。
「ベンチャー企業にとって、良くも悪くも半年先のことは分からない。そのため、退去手続きを可能な限り簡略化する必要がある」

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