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管理組合理事長、「つらい」経験語る
古いマンションが増える中、「建て替え」を検討する管理組合は少なくない。しかし、建て替えは住民の合意形成や予算など様々なハードルがある。旭化成不動産レジデンス(東京都新宿区)は建て替えの現場ではどのようなことが起きているのかを明らかにするため、6月9日、実際にマンションの建て替えを経験した管理組合の理事長2人とパネルディスカッションを開催した。
アトラス調布団地の管理組合理事長、多田陽子さん(左)と
宮益坂ビルディングマンションの建替組合、ウレマンフレッド理事長(右)
マンション建替研究所の主任研究員、大木祐悟氏(左)
マンション建替研究所の林善史所長(右)
「死んでしまうので早く」シニアから急がされる
参加した一人は全176戸のアトラス調布団地の管理組合理事長を務める多田陽子さん。建て替えが決まったのは同団地が築40年を迎えた頃だった。修繕ではなく建て替えを選んだ理由について多田理事長はこう語る。
「とにかく配水管があちこち壊れて、理事長と副理事長が年中走り回っている状態でした。それに耐震補強もしなければならないし、エレベーターもない。当時修繕積立金が2億円あり、半分を使って外壁の塗り替えを計画していたのですが、それに使うのはどうなのかと。その後、皆さんから建て替えを考えてくださいとの声が上がって検討が始まりました」
苦労したのは住民の意見を吸い上げ、合意形成することだという。「説明会をやると、声の大きい方の意見ばかり集まってしまう。本当はそうじゃないと思っている方の声を聞いたり、理解してもらうために茶話会もやりました。会が開かれるたびに各住戸の方々に決まったことを急いで知らせないといけない。夜中になるときは静かにポストに入れるとかもしましたよ。なぜ急ぐのかというと、早く知らせないと建て替えが進まない。特に私たちの団地はだいたい70歳くらいの方が多くて、とにかく早くしてください、死んでしまうので早くしてくださいと言われました」。さらに高齢なので管理組合の役員になる人材がいないことも困難だった点として指摘した。
長期修繕計画さえなかった
情報交換会に出席したもう一人は築63年の宮益坂ビルディングマンションの建替組合、ウレマン・フレッド理事長。同マンションは現在建て替えの真っ際中で2019年に竣工予定。

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