そもそも「リフォーム」と、どこがどう違うの?「リノベーション」の良さは?
「プラスα」がリノベーション
「リノベーション」とは、「ライフスタイルに合わせて住まいを変えていくこと」。
リフォームの中に含まれる(図1)が、リフォームとの違いはリフォームは本来、原状回復など「修理のための工事」をいい、リノベーションは機能・価値を付加する"プラスアルファ"というところだ。
このリノベーションの普及に努めるのが、その名も「リノベーション住宅推進協議会」。協議会が思い描く未来は、好みやライフスタイルに合わせて住宅をリノベーションし、住み替えもどんどんする。逆に古い家に長く住んで、その時々の暮らしと必要に合わせてリノベを繰り返すのもOK、というものだ。
リノベーション住宅の推進には、日本が「ストック型社会」になろうとしていることが影響している。なるべく環境に負荷をかけず、限りある資源を大切に使おう、今あるものの価値を高めて、長く使っていこうという考えによっている。
また人口が減って空き家率が上がっていることも響いている。2008年の大規模調査では、空き家率は全国で13・1%。そのうち約24%
改修されないでいて、腐食・損傷・老朽化が進んで問題になっている(図2)。
そこでリノベ協議会では、古くなっていく住宅に、安心して住んでもらうため、そして住宅の資産価値も維持するために、住宅の性能と質を検査し保証する、「R住宅」指定を行っている。
「R住宅」は、住宅の検査・改修から保証・情報開示まで、適正なリノベのフローを行って、優良な「適合リノベーション住宅」を指定していくものだ。
「R住宅」には1から5までの区分があり、今年3月末には、現在力を入れている「R1住宅」が累計1万件を超えた。
この「R1住宅」の検査の項目には、主に壁や床に隠れて状態が見えにくい、給水管や排水管、ガス管、電気配線などがある。現在、協議会のサイトではR1住宅のガイドラインが掲げられているが、今後R5住宅までの掲載が待たれるところ。
アメリカなどでは、ライフステージに合わせて一生のうちに2、3回住み替えを行うといい、それがアメリカンドリームの1つなのだそうだ。日本でも、夫婦2人だけの時、子どもが小中高の頃、子どもが独立後夫婦それぞれ趣味を楽しもうという頃と、いろいろなライフステージがある。それに合わせた住み替えが当たり前になり、多くの人がするようになれば、リノベ住宅はさらに身近になるだろう。
いまの日本はいろいろな価値観をお互い認め合うようになり、さまざまな住スタイルが追求できる。「衣食住」のうち、「衣」「食」は好みを追求できるけれど、「住」はこれまでメーカー主導で個人の好みが追求しにくかった。主張したくても知識情報がないから、専門家にお任せ、というのが一般的だった。
それが今や、住む人の意識が変わってきて、メーカー、行政もこれに応える時代になってきた。リノベーション協議会でも、住む人とメーカー、行政の意識の変革のために、分かりやすく「リノベーション」の良さを伝えようとしている(図3)。
この記事の関連キーワード : R住宅 ライフ リノベーション リノベーション住宅推進協議会 資産価値

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