7月27日、28日の2日間流通センターで開催されたタカショーガーデン&エクステリアフェア2023
住宅ビジネスの中で数少ないブルーオーシャンといわれる外構市場。具体的に提案するには何が必要なのか。実際の市場の可能性とノウハウについて専門メーカーであるタカショー(和歌山県海南市)の高田康平常務執行役員に話を聞いた。
外構市場は「ブルーオーシャン」
――まずは、外構市場の現状について教えてください。
外構市場は、まさにブルーオーシャンです。コロナ禍を経て、日当たりや通風、屋上やバルコニー、庭や緑がほしくなったという外に対するニーズが増えているのに、提供するプロ側が多くありません。
当社も、この3年間、市場創造や需要喚起に取り組んできました。インスタグラムでの投稿や、全国15エリアでのTVCM放映などを通して、よい現場事例を出すことで需要喚起ができていますが、提案企業が足りていない状況です。
――その一方で、水回りの市場については相当市場が厳しく、競争が激しいですよね。それだけに、プラスアルファで外構とセット提案するのは可能性があると思います。
新築から5年以内のお客様で、真っ先にリフォームしたいのが「外構・庭」という回答が35%というデータもあります。つまり、新築時に庭までしっかり提案していできているケースが案外少ないのです。
例えばちょっとした植木くらいしかなく、隣から丸見えで開けると丸見えで窓のシャッターを閉めたままのお宅には目隠しフェンスの設置が効果的ですし、せっかく庭を作ったのにブロック塀や壁面が古くて汚くみずぼらしい方には当社のエバーアートボードの設置などが有効です。
ブロック塀などの化粧が簡単にできるエバーアートボード
――需要があるのはわかるのですが、提案を行ったことがない方にはハードルがあるかと感じます。
当社では、誰でも簡単に使えるリフォーム提案ツール「メタバガーデン」という完全無料のアプリを作っています。iPhoneとiPadで使える無料アプリで、AR(拡張現実)で撮った写真に商材を置いてCG合成ができます。専門のCADがなくても、ツールの使い方さえマスターしてもらえれば誰でも提案可能です。
アプリで誰でも簡単に外構提案が可能に
――すごく感覚的に操作できるので、誰でも使えそうですね。スマホを普段から使う人なら大丈夫と感じます。
カタログでの提案では寸法やカラーが自分の家に合うのかなど完成後のイメージが湧かず、行き違いが起きがちです。クラウド上に商材が何千と入っているので、物を置いたイメージが2分くらいで表示できるのです。室内リフォームの延長で庭の提案に繋げることが可能です。
――水回りの交換工事ですと価格競争が厳しくなっていますし、庭の提案ができると、差別化になりえるとおもいます。
家の中に入ってキッチンなどを提案しているお客様との信頼関係がある事業者さんが提案するわけですし、なじみやすいと思います。
アプリでは、CGに置いた商品の定価が表示されるので、提案の場で施工費込みの概算金額を伝えられます。うまくいけば、そこで受注とクロージングも可能ですね。
――庭でいうとウッドデッキだけを作っている住宅をよく見かけるので、ガーデンファニチャーの需要もありそうですね。
家具も、うちで日本屈指の在庫を持っていますので、ホームセンターで取り扱っている家具からアッパーラインまで種類も豊富に揃えています。
アプリの中に、空間や金額別にいろんなプランを表示できます。お客様の予算感や好きな色、広さなどを確認しながらいろんなものを見せていけば、満足いただける商材が出てくると思います。
ハイグレードなガーデンファニチャーも扱う
――施工は、知っている会社に頼んでも問題なくできるのでしょうか。
商材はすべて現場の寸法に合わせてアルミ材などもカットして出すので、切った張ったがなければ電動ドライバー一本でやっていただけて、問題なくやってもらえると思います。工事は、慣れた職人さんだと1日半くらいでできます。
セット提案により大きな商機
――コロナの影響により住まいで快適に過ごしたいニーズが高まりましたから、もっと庭の提案がふえてほしいですよね。
リフォームで、何百万のキッチン買われるうちの100万でも庭に持っていっていただきたいなと。実際住んでから「庭をなんとかしたいね」みたいなミスマッチを埋めていただければ、まだまだ商機があると思っています。
――庭まわりを整えて、外でコーヒーやご飯を食べるとワクワクするし気持ちも高まりますよね。
私自身、自宅のリフォーム時に庭を変えて外でコーヒーを飲めるようにしたら、本当に気持ちが良くて、朝カーテンを開けるのも楽しみになりました。外の空気を吸うのは健康にも良いですし、そういう提案を一緒にやっていただければと思っています。
――タカショーさんでは、「トータルガーデン&エクステリアフェア2023」を7月27、28の両日に東京流通センターで開催されました。その様子を撮影した動画に庭提案の最先端情報が詰まっているそうですね。
その通りです。アバターを使った仕組みや動画サービス、ガーデングッズなど、本日お話ししていた内容も踏まえたすべてを見ることができます。より付加価値の高いものを提案できる仕組みや流れに興味をいだいていただきましたら、ぜひ我々にお問い合わせいただきたいです。
高田康平 常務執行役員

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