LIXILグループ(藤森義明社長)が、米国の衛生陶器大手アメリカンスタンダード社(ASB)を買収し、北米市場に本格進出、グローバル展開を加速する。このほど記者発表したもので、LIXILは、ASBの全株式を米投資会社から8月に取得、買収額は5億4200万ドル(約531億円)に達する見込み。
ASBは130年以上の歴史を持つ衛生陶器の老舗メーカー。2012年12月期の売上高は8億3700万ドル(約820億円)、営業損益が2660万ドル(約26億円)の黒字なのに対し、最終損益が950万ドル(約9億円)の赤字。
衛生陶器の世界的ウェブマガジン「セラミック・ワールド・ウェブ」の衛生陶器世界ランキング(2011年)では、LIXILが8位なのに対し、ASBは上位20位以下だった。
LIXILは既に、ASBのアジア太平洋部門を2009年に買収している。今回買収するのはASBの本体である北米部門で、ASBはリーマンショック後、事業を切り売りしてきた経緯がある。LIXILは、日本の住宅市場が先行き縮小が避けられない中で、米国市場が回復基調にあることから、今回買収を決めたものと見られる。
LIXILは、2016年3月期までの中期経営計画で、年間の連結売上高を3兆円とし、うち国内2兆円、海外1兆円とする目標を掲げる。

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