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壁紙は「ファッション感覚で替える」時代へフィル

壁紙は「ファッション感覚で替える」時代へ フィル

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壁紙をファッション感覚で楽しむ斬新なショップが話題を呼んでいる。それが日本では珍しい輸入壁紙の専門店「WALPA(ワルパ)」だ。現在ウェブサイトでの販売と合わせ、大阪、名古屋、東京で計3店を展開しており、特に若いユーザーからの支持を集めている。

日本にはない個性的なデザイン

 同店は壁紙のウェブ販売を手掛けるフィル(大阪府大阪市・濱本廣一社長)が運営しており、日本の無難なデザインとは違う、個性的な壁紙を日本でも広めようと、2011年にスタートした。今月福岡に新店舗をオープンさせており、今後も全国に店舗を展開する予定だ。

 昨年2月に東京都渋谷区桜丘町に進出し、今年7月に恵比寿に移転した「WALPAストア 東京」は、1日20~30組が来店する人気店だ。アパレルショップを意識したおしゃれな店内には、計250種類の個性的なデザインの海外ブランド壁紙が並んでいる。

 価格は10メートルのものが1本5000円ほどからで1本7000円のビンテージ商品も取り揃えている。サイズは横幅52、53センチのものが多く、ビンテージ商品は70センチのものもある。

現品限りのビンテージ壁紙も販売。写真のものは10メートルで7800円
現品限りのビンテージ壁紙も販売。写真のものは10メートルで7800円

 デザインはドットやストライプなどの他に、イラストや写真を用いたものまで様々で、国内ではあまり見ない個性的なものが多い。なかでも売れ筋なのが、木やレンガの壁の写真を印刷したリアルな壁紙だ。特に廃木材を使う家具デザイナーの作品をプリントした壁紙は、近くで見なければ本物と見分けが付かないほど精巧で、ユーザーから人気を集めている。

高さ3メートルほどのスライド式の壁に個性的なサンプルを展示
高さ3メートルほどのスライド式の壁に個性的なサンプルを展示

潜在的なニーズを発掘

 アンティーク家具ショップや古着店などが多く立ち並ぶ恵比寿という土地柄からか、ファッションやインテリアにこだわりのある人たちが立ち寄っている。店内では店員と相談しながら、楽しげな様子で自分の部屋に合う壁紙を探すユーザーの姿が多く見られる。

 ストアマネージャーの小野田めぐみさんは、ファッション感覚で壁紙を張り替えるという、新たなニーズを発掘することに成功していると話す。

 「お客様は30代の女性が中心です。この年代の方たちは特に、トレンドや気分、季節に合わせて自分の部屋をアレンジしたいという潜在的な欲求が高いのではないでしょうか」

 人気の秘密は壁紙のデザインのほかに、施工業者に頼まなくても簡単に自分で張れることにある。同店では店員に教わりながら張り方の練習をすることができ、壁紙と合わせて刷毛やローラーなどの施工道具も販売している。そのため、DIYの経験のないユーザーでも気軽に張り替えを楽しむことができる。また施工は既存のクロスの上から壁紙をのり付けするので、賃貸でも使用できる。

アパレルショップを意識した店内。壁紙の購入のほか、簡単な張り方の練習もできる
アパレルショップを意識した店内。壁紙の購入のほか、簡単な張り方の練習もできる

ウェブ掲載数は3000種類

 リアルショップがショールームとして機能を果たしている一方で、より気軽に利用できるウェブショップが売り上げの大半を占めている。同ショップのフェイスブックページの「いいね」数は約1万8000と、ユーザーからの人気の高さがうかがえる。

 ウェブではより多くの商品を取り扱っていることも特徴の1つ。リアルショップの取り扱いアイテム数が250種類ほどなのに対し、ウェブは在庫が400種、取り寄せを含めると3000種類に上る。

 ユーザーは豊富なアイテムの中からブランド、カラー、パターンなどのカテゴリから自分の好みに合う商品を見つけることができる。またウェブでは1ロール(10メートル)数万円の高額ビンテージ商品を購入することもでき、リアルショップで壁紙を張り替える楽しさを知り、ウェブでリピート購入するというモデルを確立している。

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