自宅をショールーム化し、住みながらお客さんに公開しているところがある。千葉県にある「MADOショップ我孫子南青山店」がそれだ。自ら居住することによって、あふれる生活感、これ以上ないリアリティのある展示が、同ショップの強みとなっている。オープンから約1年半、地域住民が集まる場所として、徐々に認知が進んできた。
JR常磐線、天王台駅から車で10分弱。新興住宅地の中に同店舗は存在する。外観はまさに普通の戸建て住宅。ただ、まわりに掲げられた看板やのぼりで、ショップであることがかろうじて判断できる。井内正浩社長は開設理由を次のように話す。
外観は普通の一軒家
「新築の展示場もまわりにたくさんありますが、そこは実際の住宅と違いがありますので、完成イメージを見てもリフォームでできたものは違うということがあります。出来栄えが分からない点を解消したかったのです」
「実物に触れてもらう」と話す井内正浩社長
実際に居住しているため、導入した商品を日々体感できるメリットも大きい。内窓設置による室内空間の暖かさ、ソフトクローズ付きの室内ドアの便利さ、すべて体験談をもとにお客さんに話ができる。さらに、住宅地のど真ん中という立地も同店舗の強みだ。
各商品の脇にさりげなく価格を表示
「地域密着で、愛される会社になることが夢です。地域の人が工事をすれば悪いこともできないし、何かあったらすぐに対応できるじゃないですか。できることは何でもする御用聞きのようなものですね、そのために信用を得るための展示場は絶対に必要なのです」
まだ、開設してからの年数が浅いため、認知度を高める活動も積極的に行う。月に1回、無償で場所を提供して行うフリーマーケットがその1つ。一般的な中古品のほか、手作りのアクセサリーなども出店する。ここでは、井内社長のカレーや、ビーフシチューも提供される点がユニークだ。
「雪の時はさすがに来なかったですが、多いときで20人ほどの来場があります」(井内社長)
認知活動のかいがあってか、当初ゼロだったエンドユーザーからの反響が今では、月に10件ほど入るようになった。この3月は目標の月商200万円を上回る300万円の受注を獲得している。
4月からは商品の無料モニター導入制度も始める予定の同社。さらなる"地域密着"活動を続けていく。

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