ブリヂストン(東京都中央区)、野村不動産(東京都新宿区)、長谷工コーポレーション(東京都港区)の3社は、無勾配での排水を可能とした「サイホン排水システム」を発表した。勾配をとる必要がないため、配管の距離を長く伸ばし、水まわり設備のレイアウトを自由に変えられる。

配管の勾配をとる必要がないサイホン排水システム
従来の排水では、配管に勾配を設ける必要があるため、配管を長くするに従って高い勾配を設けなければならなかった。
今回の同システムでは、管を使って水を引き上げる「サイホンの原理」を利用。無勾配の排水を可能とした。また重力の力だけで水を流すので、停電時などでも使用できる。
使用する配管は、ブリヂストンが開発した20~25もので、排水が管内に隙間なく高速で流れるため、固形物が付着するリスクも少なくなる。通常マンションの水まわり設備は、各室の排水を集める排水立て管と近い位置に配置するが、同システムでは水平で最長距離14mまで伸ばせる。

1つ下の階で合流させる
「サイホン式排水は、既存の仕組みを一新する必要があり、音や排水の安定性などの問題からも導入されてきませんでした。このほど弊社の技術開発と、野村不動産と長谷工コーポレーションの協力により、導入が実現しました」(ブリヂストン建設資材企画部樹脂配管企画課・大西伸明課長)
床下のスペースが有効活用でき、その後のリフォームにも大胆な間取り変更が可能になる。
初年度は野村不動産と長谷工コーポレーションの新築マンションに導入。中古マンションの1棟リノベーションも狙う。

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