トイレのリフォームを行う際、タンクレストイレに替える人が増加している。限られた空間をできるだけ広く使うには、便器の省スペース化が非常に重要となってくる。

タンクがないと壁面が広く見える。築10年未満の戸建て住宅では約1割にタンクレストイレが設置されている(2012年TOTO調べ)
写真提供/TOTO
個室空間に動きやすい余裕を
トイレ内での動作のしやすさは、スペースの有無で大きく変わる。これまでトイレ内の空間は、便器とトイレタンクが大きな割合を占めていた。狭い室内スペースでこの2つを小さくできれば、トイレ空間に余裕が生まれ、動作が楽になる。
また、新たにバリアフリー対応の手すりなどを付けるスペースも確保できる。掃除がしやすくなるのもポイントだ。

タンクの高さ・奥行きとも従来より小さくなったトイレ。タンクレスと同様、節水や汚れのつきにくさなどがアップしている。手洗い器を別に設置する
写真提供/LIXIL
スタイリッシュなタンクレス
タンクレストイレとは、洗浄用の水タンクをなくした便器のこと。タンクをなくしたことで奥行きが狭まり、便座に腰をかけた時の前方のスペースが広がる。
従来の79cmの奥行きを持つタンク付きトイレから、奥行き65cmのタンクレストイレに交換した場合、その差は14cm。奥行きが120cmしかない個室でも、タンクレストイレならスペースが10%以上も広く使える。
タンクがなければ、見える壁の面積も広くなり、全体にシンプルに、スタイリッシュなトイレとなる。
タンクが必要ないのは、水をためておかなくても、流すことが可能になったため。便器の形を改良し、水の流れを変えることでタンクレスが実現した。
便器に直接つながった水道管から水を流して、便器内を洗浄する。逆流防止のためのバルブや装置が内蔵されている。
ただし水圧の低い場所では使用できないものが多いので、確認が必要。また、通常タンクの上にある手洗い器がなく、別途つける必要があり、そのスペースを考慮しなければならない。

スペースが小さくなった分、狭い空間では難しかった手洗い器の提案もしやすい
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コンパクトで省スペース
タンクレストイレ以外にも、コンパクトな省スペーストイレがある。従来のトイレに比べ、タンクを含め奥行きが8cm小さくなる製品も登場している。ただタンクレストイレ同様、手洗い器がついていないことが多いので、注意が必要だ。

0.4坪の空間でも、別途手洗い器の設置が可能なタンク付きトイレ
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最先端技術を搭載
タンクレストイレも省スペーストイレも小型ではあるが、温水洗浄便座や清掃性など最先端の技術が搭載されている。節水性能も高いエコな商品が多い。
タンクレストイレや省スペーストイレをうまく取り入れると、基本性能も向上。トイレ空間を手軽に広々と変身させることができる。
個室内のインテリアを楽しむこともできるようになる。

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