シャワー・水栓メーカー大手のハンスグローエが、よりシンプルに操作できる水栓金具の開発に力を入れている。ボタンをワンプッシュするだけで多様な操作を可能にする機能「セレクト」を、シャワー以外の分野にも拡大していく。
押すだけの操作感を新提案
← セレクトボタンでシャワーモードを切り替え
「エコロジーとユニバーサルデザインは今の日本で重要なテーマ。水栓金具の領域で提案できる解決策は、私どものシャワーで斬新なモード切り替えが特徴の『セレクトボタン』をシャワー以外の領域に応用していくこと」と話すのは、ハンスグローエジャパン(東京都港区)の石川敦社長だ。
同社の新シャワーシリーズ「レインダンスセレクト」には、押すだけでシャワーの水流が切り替わる「セレクトボタン」が搭載されている。「セレクト」のコンセプトはシンプルさ。日常で繰り返される動作をもっと簡単にできたら、との思いが込められている。
このセレクトボタンを洗面水栓やキッチン水栓にも導入する動きが既に同社の世界市場で始まっている。日本でも2016年から本格的な展開が予定されている。
「車のキーは回すものからプッシュボタンへ、電話も回すダイヤル式からプッシュ式へと変化しています。当社は今後、洗面、キッチン水栓などあらゆる部材に『セレクト』ボタンを導入し、エコでユニバーサルな商品を展開していきます」
洗面、キッチンには「タリスセレクト」
「レインダンスセレクト」のハンドシャワーは、手元のセレクトボタンをクリックするだけでシャワーモードの切り替えができる画期的なハンドシャワーだ。
ワンプッシュ操作の洗面水栓
シャワーヘッドを握ると自然に親指が当たる位置にセレクトボタンがあり、エア(空気)を含んだ柔らかな「レインエア」、エアなしの「レイン」、首や肩の凝りをほぐすマッサージ効果のある「ワール」の3モードをワンクリックで自在に楽しむことができる。
「今までのシャワーヘッドは両手を使ってヘッドを回すことでモード切り替えするのが主流ですが、セレクトボタンなら片手で簡単に操作できます」
さらに洗面、キッチン水栓にセレクトボタンを導入して、水まわりの快適性を追求したのが「タリスセレクト」シリーズだ。
「タリスセレクトS」シングルレバー洗面混合水栓は、水栓部にセレクトボタンを導入。手の甲や肘などでも押すことができ、軽く押すだけで吐水・止水ができるのが特徴だ。こまめに水の出し止めができるので、節水・節湯も期待できる。
電気式で手元で止水できる製品は多くあるが、このセレクトボタンは機械式のため、耐久性が高いのが特徴的。左右に回すことで温度調整もできる。
今後同社では、キッチン水栓の強化にセレクトボタンを活用していく。
石川社長は「タリスセレクトのキッチン混合水栓は、ボタン操作ができるほか、吐水口を引き出して使うことができます。他社にない使用感、使い方を提案していきたい」と話す。

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