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またぎやすい高さの浴槽が増加入浴時の安全を考えよう

またぎやすい高さの浴槽が増加 入浴時の安全を考えよう

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 浴室内での転倒事故が後を絶たない。滑りにくい床の採用や手すり設置などの対策が一般的だが、浴槽への転落を防ぐには、安全に出入りできる高さであることも重要だ。最近では、またぎやすい縁の浴槽が増えている。

またぎやすい高さなら、安全に入浴できるまたぐ動作が転倒の危険に

← またぎやすい高さなら、安全に入浴できる
写真提供/TOTO

 従来の和風の浴槽は60~65cmほどの深さが一般的だった。床に据え置き型の場合、バスタブに入るにはそれだけの高さをまたぐ必要がある。

 人は加齢に伴い、身体のバランスを崩しやすく、立ち座りが苦手になりがちだ。高齢者にとって腰の高さまで足を持ち上げて出入りする姿勢は、転倒の危険性が高まる。

 現在のユニットバスでは、和洋折衷タイプの浴槽が主流だ。従来型の和式の浴槽よりは浅いものの、肩までつかることができる。底までの深さは48~50cmで、床より一段低いところに設置される。

 洗い場の床面から浴槽の縁までの立ち上がりの高さは42~45cm程度のものが多い。従来型に比べてまたぎやすく、安全な作りになっている。なお、またぐ高さはあまり低くし過ぎると、逆に入りにくくなるので注意が必要だ。

縁の中央部がさらに7.5㎝低くなっていて、足が引っかかる恐れが減る縁の中央部がさらに7.5㎝低くなっていて、足が引っかかる恐れが減る
写真提供/クリナップ
保健福祉の見地からは、40㎝の高さが立位でも座位でも出入りに安全な環境としている保健福祉の見地からは、40㎝の高さが立位でも座位でも出入りに安全な環境としている。
縁は薄い方が望ましい
出典/ 国際福祉機器展 2014福祉機器選び方・使い方副読本(住宅改修編)
『住宅改修編』(一般財団法人保健福祉広報協会、2014年10月)

部分的に低くより入りやすく

 より安全性と使いやすさを考慮して、浴槽の縁の中央部を、一段低くした商品もある。またぐ部分の高さを7.5㎝下げることにより、片足を上げてまたぐ際も、一度浴槽の縁に腰掛けてから足を下ろす場合も、ともに安全な仕様になっている。

 またぐ部分が低い浴槽は、高齢者だけでなく小さな子供のいる家庭にも適している。一般住宅ではすでに過半数に導入されているが、家族構成や入浴スタイルに合わせて提案したい。

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