家庭で使うエネルギーの3割を占める給湯器。省エネタイプの給湯設備としては「エコキュート」が知られているが、このほど、小人数家族に的を絞ったコンパクトサイズのエコキュートが登場した。
新冷媒HFC32(R32)を使用したことで、環境への負荷を軽減したネオキュート。
本体の定価が50万円前後からと、導入価格もエコキュートより低い
写真提供/ダイキン工業
小人数家族や集合住宅に対応
空気熱を利用したヒートポンプ式給湯システム「エコキュート」は、2014年には累計出荷台数400万台を突破。しかし、使用湯量が多い4人以上の世帯が対象の大型機器のため、小人数の世帯や、マンションなどの集合住宅には普及が進んでいない。
その背景を受けて新たに発売されたのが、使用湯量の少ない世帯向けのヒートポンプ給湯器「ネオキュート」だ。
42℃で420リットルの湯量を確保
エコキュートとの大きな違いは、新冷媒を採用した点。エコキュートが自然冷媒(CO2)を使用しているのに対し、ネオキュートはエアコンなどに使用されるR32冷媒を使用。地球温暖化防止への貢献度が高い。
沸き上げ温度は、エコキュートの85~90℃と比べ、ネオキュートは65℃とやや低めだ。タンク容量も320リットルと、3人家族が1日に使う平均湯量380リットルに達していないが、使うときの湯の温度を42℃とすれば、420リットルの給湯量に相当するため、小家族なら十分な量といえる。
ランニングコストが抑えられるのもメリット。ガス給湯器の3分の1~4分の1との試算もある。
軽量でコンパクトなため、建物に合わせて、壁面や屋根の上など設置場所を選べる。
ユニット間の配管は最大20m、高低差最大12m離すことができる
画像提供/ダイキン工業
壁面やベランダなど自由に設置
ネオキュートのもう一つの特徴は、軽量性とコンパクトさだ。
ヒートポンプユニットはエアコンの室外機をベースに開発されており、重さは28Kg 前後とエコキュートのおよそ半分。屋根や外壁、集合住宅のベランダなどにも設置できるサイズだ。
貯湯ユニットとヒートポンプを冷媒配管でつないでいるので、配管を長くしても熱ロスが少なく、二つを離して設置することも可能だ。

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