住生活グループ傘下のトステム、INAX、サンウエーブ工業、東洋エクステリア、新日軽の大手メーカー5会社が統合してできるLIXIL(リクシル)のキッチンラインナップが決まり、3月9日、リニューアルを含めた新商品3種を発表した。新商品「リシェル」「アミィ」「シエラ」はグループ保有技術の共有化により生まれた自信作とし、市場シェアをさらに拡大すると意気込む。

課題の中高級帯
会見でサンウエーブ工業執行役員商品開発室長佐無田譲氏はLIXILのシステムキッチン市場におけるシェアは現在トップで、全体の30%を占めると発表。さらに細かく分析したところによると普及グレードタイプでは34%。だが、中高級グレードでは12%と苦戦しているという。この課題である中高級グレードについては「リシェル」(サンウエーブの既存商品の名称を残したリニューアル商品)により、「シェアを2倍にする」(同氏)。また、普及価格帯の「アミィ」(リニューアル商品)、「シエラ」の2商品はボリュームゾーンのシェアの維持・拡大を図る。ちなみにこの新商品3種については「サンウエーブ」ブランドで販売する。
具体的な数値目標は「リシェル」月間3000セット、「アミィ」月間6000セット、「シエラ」月間3000セット。
清掃性・収納性向上
具体的に商品開発でどのような技術を結集したかというと、例えば「リシェル」では清掃性を追求した新機能「ラクリーンシンク」。これはシンクを汚れやキズに強い「デュアルコート」や「スムースドットエンボス」といったサンウエーブの技術に、人造大理石のトップとシンクのスキマがない「ピタットジョイント」、手入れが簡単な「てまなし排水口」といったINAXの技術が加えられいっそうの清掃性向上を図った。また、サンウエーブが得意とする収納性も向上。「清掃性」と「収納力」が特長だ
重複商品を削る
そしてこれらの新商品発売に伴い、商品ラインナップを見直す(表1参照)。各企業が既に発売しているキッチンタイプが重複するためだ。2010年に発売していた3社のキッチン8種を今回発売した3種を含めた5~6種に絞る。新商品以外の商品は、レビラス(INAX)アクティエス・凛(サンウエーブ)となる。
注力マーケットはリフォーム市場に設定。「システムキッチン市場は現況傾向にあるがリフォーム比率は増加している」(同氏)。同社によればシステムキッチン販売のリフォーム比率は09年度で43%。07度から09年度にかけて10%上昇しているという。LIXIL全体では既にリフォーム市場への注力することを明言しており、キッチン分野においてもその方向性は変わらない。狙い通り企業統合によりシェア拡大できるのか、注目したいところだ。

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