・マンション大規模修繕業界で事業者間の不適切な金銭授受が問題に
・問題の背景に、2017年に協会ができるまで野放図の状態だったことがある
・今後は基準作りや改修に特化したプログラムの充実が望まれる
違反者への罰則規定も
近年、「不適切コンサル問題」など、事業者間の不適切な金銭の授受が取り沙汰され、注目を集めているマンションの大規模修繕業界。設計コンサルタントの協会が本格始動するなど、体質改善の動きが見られる一方で、取引の適正化を含め、依然として課題は山積みだ。設計コンサルタントや施工業者、管理会社、そして、管理組合はどうあるべきなのか。業界に詳しい3社に、現状と今後について話を聞いた。
コンサル業界は野放図だった
「不適切コンサル問題」とは、不適切な金銭の授受によって、改修設計コンサルタントが守るべき立場にある管理組合へ不利益を与えているという問題。典型的なのは、格安でコンサルタントを請け負った後、通常よりも高い金額で受注させた施工会社からバックマージンを受け取るというもの。格安なコンサル料をマージンで補てんするわけだ。
「マンションの大規模修繕自体がここ20年で急成長した分野。改修設計コンサルタントには、そもそも『業界』すらなく、野放図の状態だった。協会ができてようやく『業界』としてスタートした」と話すのは、2017年12月に設立されたマンション改修設計コンサルタント協会(東京都千代田区・以下MCA)の貴船美彦前理事長だ。
マンション改修設計コンサルタントとは、マンションの大規模修繕を行う際に、設計や監理を担当する職種を指す。MCAには大手数社を含む21社が加盟している(7月25日現在)。
MCAは設立から1年ほどかけて活動を本格化。3月末には、コンサルタントのコアとなる業務について、「マンション計画修繕コンサルタント標準設計業務」を策定することで業務の標準化に向けての道筋をつけた。それと同時に、「コンプライアンス監視委員会」を設立した。
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