有料会員登録で全ての記事がお読みいただけます

【実態調査】定期点検から500万円超のリフォームにつなげる工務店の戦略

【実態調査】定期点検から500万円超のリフォームにつなげる工務店の戦略

このエントリーをはてなブックマークに追加

リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「アフターフォロー&定期点検」。各社どんな工夫をしているのか、6社に調査した。

《質問項目》
(1)リフォーム売上高
(2)平均単価
(3)リフォーム後(新築後)の定期点検はいつどんなタイミングで行っているのか?
(4)誰が担当か?
(5)定期点検の案内やアポはどのような方法で行っているのか?
(6)点検チェックリストはある?
(7)どう点検するのか?
(8)定期点検は年何件ほど行っているのか?
(9)故障、不具合などあった場合、有料対応か? 無料対応か?
(10)点検以外でどんなアフターフォローをしているのか?
(11)OB顧客数
(12)OB顧客平均単価
(13)リフォーム売上高のOB比率、新規比率
(14)工事件数ベースのOB比率、新規比率

木楽ホーム
24項目の点検チェックリストを活用、異常なし・無料保証・有料保証の3段階評価

木楽ホーム(長野県東御市・年商5億3000万円)は新築事業がメインだが、今後はリフォーム業の売り上げを増加させる。OB客への定期的なアフターフォローが実を結び、リノベーションの問い合わせが増えたことが理由だ。

2021年に入り、500万~1200万円のリノベーションについての問い合わせが、2カ月で4件に増加した。前年までは50万円の小工事、高くても400万円のリフォームが月に1件ある程度で、500万円以上のリノベーションの受注はなかった。前期のリフォーム売上高は5000万円だが、今期は4カ月でそのうちの6割に達する見込みだ。

その理由が、アフターフォローの強化にある。2012年の会社設立から9年が経ち、同社は約100棟のOB客を持つ。OB客には、3カ月、6カ月、1年、2年、5年、10年のスパンで定期点検を行っている。「室内の湿度」、「クロスの開き」「外水道の水抜き(秋~冬)」など、チェック項目が設けられている。

大楽ホーム 定期点検のチェックリスト定期点検のチェックリスト。長期保証が8項目、短期保証が16項目。項目ごとに「異常なし」、「無料保証」、「有料保証」の3段階を設定

ほぼ毎週土日に1棟ずつ、営業マンとパート社員が定期点検に訪れる。パート社員は同社のOB客でもある。施主の目線でさまざまな話ができるので、顧客の信頼が得られる。

定期点検では、床下、屋根、外壁、内装、ガス、給水など24項目を、くまなくチェックする。

そのなかで、例えば、庭が砂利まみれになっている家があった。そうした顧客には「草木の手入れをしたうえで、さらに庭を美しくできる」と提案する。結果、単価150万円ほどの外構工事の受注につながったこともある。

「定期的な点検を行う際に顧客の要望を拾い、即座に対応することが大事だと考えます。ただし、マンパワーの問題などから、それを継続してできる会社は多くない。弊社では、アフターフォローを今年からさらに強化することにしました」(島田直政社長)

同社でも点検や修繕はできていたが、新たな受注までには至らないことに課題を抱えていた。そこで今年から業界30年の経験を持つ現場監督が、リフォーム専門の担当者になり、アフターフォローに同行する人員配置を行った。顧客の要望を聞き取り、新たなリノベーションを提案できる効果が期待される。

また、コロナ禍で在宅時間が増えたことを受け、OB客と「きらくらぶ」というグループを作り、コミュニケーションを図
っている。「きらくらぶ」では二カ月に一度、インスタグラム上でフォトコンテストを開催。例えばクリスマスツリーを写真に撮って送ってもらい、どの写真が素敵だったか、を一定のルールで競い合う。他にはガーランドのワークショップを開設することも。同社では、これもアフターフォローの一環として捉えている。

(1)5000万円
(2)約150万円
(3)3カ月、6カ月、1年、2年、5年、10年
(4)工務部社員、パート(施主)、今後は選任担当者
(5)2週間前にハガキを送り、返信がない場合、電話
(6)ある
(7)顧客と会話しながら外装、内装、庭など全てを点検する
(8)週2件、年約100件(概算)
(9)案件による
(10)インスタグラムでフォトコンテストを開催、メールマガジンを送付
(11)100件
(12)約150万円
(13)OB50%:新規50%
(14)OB80%:新規20%

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE

リフォーム産業新聞社の関連サイト

閉じる