リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「ヒアリング」の2回目。各社どのようにヒアリングをしているのか、6社に調査した。
《質問項目》
(1)リフォーム売上高
(2)平均単価
(3)競合を聞くか、聞かないか?
(4)予算の聞き出し方の工夫は?
(5)ヒアリング時間
(6)ヒアリングは何人で行くのか
(7)ヒアリングの人員体制
(8)アリング項目(ヒアリングで必須なもの、聞いた方がいいもの)
(9)ヒアリングシートの有無
(10)施主の不便、不満、暮らしの希望をヒアリングするには?
(11)ヒアリングの際に使う道具
(12)ヒアリングの精度を高める工夫
(13)現調が先か、ヒアリングが先か、同時か
桃栗柿屋
水まわりの悩み解決リストを活用、キッチンごとの特徴を整理
リフォームやリノベーション事業などを手掛ける桃栗柿屋(滋賀県東近江市)は、独自のヒアリングシートを活用している。
水まわり設備とそれぞれの機能、その機能が解決する悩みをリスト化したものを活用している
同シートの項目はリフォームの動機、目的、要望、優先順位、予算、条件、相見積もり、スケジュール、決定権など。リフォーム事業部統括責任者の石川正義氏は決定権について、夫婦間の意思疎通ができておらず、話がまとまらないケースを防ぐためと語る。「例えば奥様とだけお話して打ち合わせは結構進んだけど、実は奥様がご主人に話を伝えておらず、ご主人がオッケーと言わないことがあります。そのため初回訪問の時点で今回のリフォームの決定権は誰かを聞き、見積もり提出の時にその方に必ず同席していただきます」
施主の暮らしの不便さや不満などはどのようにヒアリングしているのか。同社ではそれぞれの水まわり設備の機能、その機能が解決する悩みをリスト化したものを活用している。例えばキッチンのリストでは5つの商品が並び、それぞれの機能の特徴や悩みが並ぶ。具体例を挙げると、クリナップのステディアの洗エールレンジフードの機能の特徴は「2カ月に1回、ボタンひとつでフィルターとファンの油汚れをまるごと自動洗浄。約10年間ファンフィルターを取り外さずにお掃除が可能」とあり、その機能が解決する不満や不便な状況として「手の届きにくいレンジフードの掃除が嫌だ」とある。石川統括責任者は同リストを活用することで、経験の浅い社員の引き出しを増やすことができると語る。
施主の言った、言わない問題に発展させない工夫もある。打ち合わせなどで複写式の打ち合わせ記録シートに記入し、複写用紙を施主に渡す。しっかり文字で記録を残し、施主との共通認識を図る。

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