Case3 山翠舎
「良いモノを長く使う」、年商も倍増の9億円に

・伝統的な建築技術や古民家の文化的価値の保全に取り組む
・古民家で廃材となる可能性のある古木を買収し、店舗のリフォーム時などで再活用
・古木を使った家具やインテリアを作り、カフェやホテルなどに販売
・空き家の移築やリノベーションによる再活用と地域資源の活用
・廃材となる可能性のあった木材のリサイクルによる廃棄物削減と脱炭素への貢献
・古民家が廃棄物として消却処分されなくなることで、CO2の排出を抑制
・古木の販売1本につき100円を拠出し植木、間伐などの森林整備に還元
・SDGs交流スペースを作り、社内外の交流やSDGs関連ビジネスの創出を促す
・料理人向けに資金調達や物件探しなどの店舗開業支援サービスを行う
空き家の木材を再利用することでSDGsを推進しているのは、店舗や商業施設の改修工事などを手がける山翠舎(長野県長野市)だ。
同社は古民家を自社で解体し、古木を買収。リノベーション時に自社でストックした古木を生かした設計・施工を行う。10年前は倒産危機にあった地場の工務店だが、古木のリサイクル業にシフトしたことで、年々成長し、現在の年商は9億円で当時から倍増している。古木を生かした自在なリフォームにより、他社との差別化に成功したことに加え、SDGsに訴求することが企業ブランドの向上につながっているからだ。
「良いモノを長く使うこと。これが最もサステナブルな考え方だと思っています」と山上浩明社長は話す。同社によれば、廃材となる可能性のあった古木を再利用することが、SDGsにおける「12つくる責任 つかう責任」「13気候変動に具体的な対策を」「15緑の豊かさも守ろう」に当てはまるとしている。5000本の古木をストックしていて、これまで500以上の飲食店やオフィスなどの増改築を手がけてきた。

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