営業の個人任せは×、チーム、仕組み作りで勝つ
リフォーム経営の鉄則 「営業」編
リフォーム経営の鉄則12回目のテーマは「営業指標」。経営者も営業マンも納得できる営業目標とルール、その活用方法をまとめた。
【まとめ/編集部・高田遥介】
【1】ポイント① プレゼン前の下準備で成約率アップ
【2】ポイント② OBには着実にリピートしてもらおう
【3】ポイント③ 評価制度を整えよう
【1】営業体制を見直そう
自社のリフォーム営業は、個人化・属人化していないだろうか。もしそうなら、明日からでも見直していきたい。
1-1 チーム制で仕事を分業
リフォーム営業を個人で行うのは負担増、ノウハウ未共有など課題も多い。チーム制にして、負担を分担、目標共有すべきだ。
- ・チーム制
- 個人ごとの売上目標は設定せず、チーム制を採用。4つの店舗ごとに3、4人ほどのチームを設定し、各チームの目標額は約3億円。営業担当者の業務範囲は、住設機器の入れ替え工事の場合、現場調査、見積もり、プレゼン、現場管理まで。
- 「チームで売り上げを作ってくれればいいと考えています。例えば、4人チームで1人が多く売り上げられるなら、他の3人が小さい工事を担当して、忙しい営業担当者のフォローができるような形でも良いです」(山西真緒社長)
- レオック(愛知県豊橋市)
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1-2 男女ペア営業で、奥さんの悩みを解消
営業マンは女性だと施主が話しやすいなどの効果も。男女ペア、女性活躍で受注率アップを目指す。
- ・男女ペア
- 社長と女性スタッフの男女一組による営業が中心。成約率は7~8割にのぼる。
- 「例えば、お客様がご夫婦だとすれば、旦那様と奥様それぞれの意見を理解することができます。男女での営業なら、夫婦両方の目線で提案できるため、ご夫婦で意見が違った際も提案をスムーズに進めることができます」(亀田佳明社長)
- 京滋リフォーム広(京都府京都市)
- ・女性営業マンメイン
- 同社のリフォーム部には営業担当が6人のうち5人が女性、成約率90%。その5人のうち2人がまだ入社してから一年未満のため、実質4人の営業マンで3億1000万円を売り上げている計算となる。
- 「50代から60代のお客様がほとんどで、奥様一人でリフォームの相談にやってこられることが多い。やはり同性のスタッフが対応した方が、お客様の警戒心を和らげることができるのではと考えたのです」(松元正次社長)
- 松元建設(宮崎県都城市)
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1-3 小工事は専門部隊を用意し、生産性向上
リフォームの工事別、金額別で営業マンを分けることで、生産性向上につなげる。
昨年から、小工事担当を設置。主にOB訪問と、OB訪問から発生する小工事を請け負う。営業マンが小工事以上の案件に集中できる時間の確保を狙いとし、まずは本社のみで開始した。
「全ての業務を手掛けているので、担当する案件数が増えると当然業務も増えます。そこでこの制度を導入しました」(新井康善取締役営業部長)
コープハウジングひろしま(広島県広島市)
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1-4 ツールを活用しよう
営業する際に使用するツールの一工夫で、受注にグッと近づけ、営業マンの負担を楽にできる。
- ・16ページに及ぶ自社パンフレット
- パンフレットには、自社の歴史や社員のプロフィールがくまなく掲載。その他、「最長10年間の自社保証制度」があること、「不具合や施工不良が発見された場合は、速やかに無償で手直し工事」を行うこと、などが書かれている。
- SKSジャパンホールディングス(埼玉県さいたま市)
- ・SDGsピンバッジ
- リフォーム需要を掘り起こすために、昨年からSDGsを強化。狙いは企業価値を上げ、単価の高い受注を効率的な営業でもらうこと。現在は5人の営業マンがピンバッジを着用。
- 「かつては100万円以下が大半を占めていましたが、現在は500万円以上のリノベ受注をコンスタントにいただくようになりました。以前は冷やかしも多かったのですが、現在の成約率は7、8割ほどになり、営業マンの生産性が上がりました」(小島久美子常務)
- 松盛堂(栃木県小山市)
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【2】OBには確実にリピートしてもらおう
新規だけでなく、OBからの確実なリピートで営業目標達成に近づける。
2-1 OB専門訪問専任チームを立ち上げて、営業と連携
- ・女性パート3人の住まいメイト
- OBからの引き合いは、「住まいメイト」と呼ぶパート女性3人の定期訪問から生まれる。リピーターや新築OB含めて約2000件を年4回訪問。1人が1日10件ほど、月に250~300件は回り、月10件ほどの打ち合わせ件数ながら成約率は約9割。
- 「月次で粗利益を達成すれば、手当として数万円渡します。対象は事業部全体でパートさんも含めます」(石山実社長)
- 石山工務店(北海道旭川市)
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