大阪府八尾市を地盤にリフォームと仲介・売買事業を展開するMIMAは、YouTube配信や地元映画館での動画広告に注力。知名度拡大に連動して顧客単価も上昇を続けている。2020年には上場企業である安江工務店(愛知県名古屋市)の傘下入り。シナジーを高めつつ年間売上高10億円超えを目指す。
動画宣伝で信頼築き売上倍増
中古リノベと買取再販に注力
MIMA本社
動画CMで町の人気者に
新規顧客、単価共に増
同社は美馬功之介社長自ら出演するYouTube動画チャンネル「MimaTube」を運営。登録者は1万人超、再生回数は15万回を超えることもある。また12スクリーンが入る地元のシネマコンプレックスでは、社長が全映画の本編上映前CMに登場。地元八尾市の人々に「住まいの大王」として知られ、小中学生からサインを求められることも。美馬社長は「多分、市長より顔が売れているのでは(笑)」と語る。最近では有名人として地元の学校から講演要請も。新たにTikTokでキャリア教育用チャンネルを開設するなど、積極的に動画配信を進める。
同社は2016年にYouTubeでの配信とシネコンのCMをスタート。当時の年間リフォーム売上は約4億円だったが、社長の知名度アップに比例し21年度の売上は約8億円まで拡大。地域密着型の積極的なPRが奏功した。年間約1500件以上の工事を担当するが、顧客の約半数はYouTubeを見ている。以前9割はOB客だったが、現在では6割まで下がり、新規客が4割を占めるようになった。件数は今もOB客が6割、新規客4割だが、売上割合はOB客4割、新規客6割と新規の方が多い。新規客が増えたことによって、以前15万円程度だった顧客単価は、現在は50万円程度と大幅にアップした。見積もりに対する契約率は新規客でも48%、OB客だと78%だ。
「実は、はじめはそれほど認知度が役に立つとは思えなかったんです。でもお客さんからすれば、不動産もリフォームも結局はどこに頼んだらいいかわからない。それにリフォームや不動産はどうしても黒いイメージがある。でも、悪徳リフォーム屋は絶対に実名顔出ししませんよね。僕が動画に出て顔を見せていることで、お客さんに、逃げない覚悟で商売している意志が伝わっています。この信頼は大きい。それに、知名度が高いので相見積もりで負けなくなりました」(美馬社長)

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