井尻ハウビングは、京都府下人口約9万人の亀岡市で3代続く地域密着のリフォーム店だ。時代の変化に合わせて業態を変え、現在は水回り交換から断熱・耐震等の一般リフォーム、2000万円超の大型リノベーションまで手掛けている。女性プランナーによる空間提案で全国規模の各種コンテストで賞を多数受賞。全国でも知られる存在だ。2018年には京都市内にも出店し、現在2店舗で年商6億円。今後も売り上げアップを図り、10億円を目指す。
女性プランナー、売上伸長の原動力に
赤字3000万円からのV字回復
写真A:築60年の伝統家屋をリノベーション。既存の吹き抜けを生かし、その空間をLDKとして活用。玄関は土間スペースを広く取った
写真B:LIXIL秋のリフォームコンテスト2022ストーリー賞全国最優秀賞受賞。LDKと和室、廊下をつなげた広い空間に
メーカーコンテストの賞を受賞
井尻ハウビングは、水回りを中心とした設備交換、断熱、耐震改修から1000万、2000万円を超える大型リノベーションまで手掛けている。現在、亀岡市の本社と京都市の2店舗体制で、社員は男女約半々の24人。年間約1000件の工事を受注し、2022年度の売上高は前年から約5%増の6億円となっている。
同社の特徴は、女性プランナーを積極的に登用していること。女性ならではの細やかな視点のリフォーム・リノベーション提案で、大型工事を受注している。例えば、亀岡市内で築60年の古民家をリフォームした案件(写真A)。施主からは親子三世代で生活するにあたり結露や段差が多いことを解消したい、という希望があった。女性プランナーが丁寧な聞き取りをしてプランニングし、総額1900万円の大型工事となった。
そして同社は全国規模のコンテストでも、数々の賞を受賞している。例えば、京都市左京区の中古物件の総額1700万円の全面リフォーム施工事例(写真B)は、「LIXIL秋のリフォームコンテスト2022ストーリー賞全国最優秀賞」「ジェルコリフォームコンテスト2022近畿支部最優秀賞」等を数々受賞。既存の和室とLDKをつなげて29畳のLDK空間にしたり、既存階段の向きを変えてスケルトンのリビング階段にする等の大胆なレイアウト変更で、視線がパッと抜ける広い空間を演出。6人家族と大型犬2匹がにぎやかに集うスペースを創出した。一方で、コロナで気になる水回りは回遊動線を高め、家族みんなが使いやすくするなどの配慮を施している。
「コンテスト受賞は、いろいろな方に知ってもらう機会になります。また自己満足でなく、客観的評価になりますので、賞を取ることを会社の中で軸にしています」(井尻健社長)

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)31面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
1654号(2025/06/23発行)25面