LIXILは窓断熱のリフォームを今後の成長事業のひとつに位置づけている。2023年度3月期の決算報告の場で瀬戸欣哉社長は、想定の7、8倍の注文があったこと。それにより500億円の売上予測を試算していることを明かした。
瀬戸欣哉社長
LIXILは、2024年3⽉期の増益を後押しするポイントとして次の3点を挙げた。ひとつ目は、コスト増に即した価格の適正化。2つ目はサプライチェーン・物流の混乱の正常化。3つ目は窓リフォーム需要だ。価格転嫁を実施するなどして事態は好転しつつあるが、一方、「新築の着工棟数の減少はしばらく続き、業績に影響を与える」と瀬戸社長は捉える。
LIXILが掲げる2023年度の増益ポイント
1 |
コスト増に即した価格の適正化 |
2 |
サプライチェーン・物流の混乱の正常化 |
3 |
窓リフォーム需要 |
そうした環境下で同社が成長分野として期待するのは、リフォーム事業だ。同社の前期の売上構成比のなかのリフォーム事業が占める割合は前期比1.6ポイント増となる40%に伸びている。とくに顕著なのは窓リフォームだ。
前期第4四半期の住宅サッシの売上高(新築を含む)は、その前の期の7.8%増に急拡大した。瀬戸社長は、省エネに対する関⼼の⾼まり、国策による補助⾦制度を背景として挙げ、「今後もさらに伸びていく」と力説した。同社の前期の住宅サッシの売上高は1655億円。衛⽣機器(1065億円)やキッチン(1009億円)を上回り最も高い売上高となっている。
住宅サッシの売上高が最も大きい
商品・サービス別売上状況
※その他=洗面化粧台、タイル、住宅サービス事業、連結調整など
「先進的窓リノベ事業」で売上500億円を試算
カーボンニュートラルを目指す政府の補助金「住宅省エネ2023キャンペーン」の一環である「先進的窓リノベ事業」(経産省・環境省主幹)の補助額は1000億円で補助率は3割から5割ほど。

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