企業と連携し、デザインの力で課題解決を図る、デザイン&コンサルティング会社のL&B(東京都港区)。同社がデザイン顧問をする、ビーズソファ&ファニチャーブランド「Yogibo(ヨギボー)」のオフィス兼宿泊施設が本物件だ。国内外4つもの賞を受賞した作品の魅力に迫る。
砂浜と「地続き」の宿泊施設
創造性を育む囲炉裏のラウンジ
L字型の建物で、どの空間も眺めが良い
使えるものはほとんど生かし
和モダンな個室へ
土地に馴染む素材
築約50年、10年間使われていなかった淡路島の宿泊施設。大阪市の本社からアクセスが良く、目前に海が広がる非日常空間で、気持ちを切り替えてリラックスしながら研修等が行えそうだということでYogiboが購入。既にYogiboの約80店舗とオフィス3カ所のデザイン実績があるL&Bにリノベーションについて相談した。
建物を眺めた時にまず目に留まるのが、砂のような質感の1種類の大判タイルが、ピロティの下からエントランスまでつながり、砂浜から地続きのように外と内が緩やかに、しかしダイナミックにつながっている点だ。ジョリパッドで仕上げられたエントランスの壁が、砂浜のような雰囲気をさらに演出している。「華美ではないけれど、場所にマッチしたデザインを目指したことが、各賞で評価されたのではな
左官仕上げのジョリパッドが砂の質感を演出するエントランス。階段下には波模様のタイルを使用
好みの椅子に腰掛けてリラックスできる囲炉裏周り
モダンな巨大囲炉裏
周りがテーブルになっていて、打ち合わせ書類などを置くこともできる囲炉裏。外径Φ2300mm、内径Φ1300mm、高さ650mm
モダンな佇まいの和室
2階ラウンジはYogiboで働く人々が集い、素の自分になって、リラックスして親密に意見を交わす場。そこで天井高を2500mmと低めに設定し、中央に大きくてモダンな囲炉裏を造作した。囲炉裏を取り囲むのは、さまざまな椅子やソファ。その中にはもちろん、Yogiboの商品も置かれている。火をくべて皆で眺めれば、沈黙しても火の燃える音で和やかな雰囲気は維持される。ガラス張りの窓の向こうに、夜は真っ暗闇が広がり、昼は海が一望できる。バルコニーに出れば、さらなる開放感に浸ることもできる。

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