建材や設備の延長保証が住宅業界にも広まってきている。保証サービスと保証会社をどのように選べば良いのだろうか。
財務の健全性は必ずチェック
このところ、住宅業界で広まってきている建材設備の延長保証サービス。大手ショッピングモール会社や家電量販店、ホームセンターのリフォーム部門などでサービスが提供され始めている。消費者にとっては故障などがあっても、すぐに費用を掛けずに修理を行ってもらえるため、安心感が得られると好評だ。だが、保証サービスは数多くあり、どのサービス、会社を選べば良いのかわかりにくい一面があるのも事実だ。
そもそも、保険業法に規定され、金融庁の監督下にある保険会社とは異なり、保証会社は多数の出資者から資金を集め事故に備えるという似たスキームで業務を行っているが、明確な定義がなく、始めようと思えば今日から誰もが始められる。そのため、保証サービスの内容もまちまちな上、そもそも、その保証会社が信頼できるかをしっかりと判断する必要がある。
もしも、10年の延長保証サービスを提供する会社が5年で倒産してしまった場合、リフォーム会社が責任を問われる場合が考えられる。保証会社はもう存在しないので、費用をリフォーム会社が負担して修理を無償で行う必要が出てくる。これでは本来払わなくて良いはずの修理費用をリフォーム会社が持ち、手間と時間も掛かるようになるので、本末転倒だ。
最低でも保証期間は保証会社もサービスも継続してくれなければいけない。信頼できる保証会社を選ぶ際に重要なのが財務の健全性だ。会社の規模や歴史など、会社そのものの健全性はもちろんだが、きちんと持続可能な資金の運用が担保されているかをチェックする必要がある。
単純なコストの比較は危険
保証サービスに掛かる料金についても、単純に安ければいいというものではない。あまりに安い料金では前述したように持続可能なサービス提供が実現できないためだ。では、どのように判断すればよいか。重要なのは、その料金の根拠をきちんと説明してもらえるかだ。
保証に掛かるコストは基本的にその設備の事故率と修理に掛かる費用を考慮して算出される。しっかりと必要な金額が明確な根拠によって論理的に決められているかを説明できる会社でなければならない。商品の価格の何%などと、一律に決めている料金はそれぞれの設備ごとの事故率や修理費用の違いを考慮していない可能性があり、同様にサービス持続性の点で注意が必要だ。
また、再保険を掛けることによって確実に保証を行うようにする会社のコストはその分、高くなる。しかし、保証に対する安心感は高くなるので、バランスを考えて選択したい。
営業や顧客囲い込みなど相乗効果も考えよう
24時間対応の緊急コールセンター対応や、迅速な修理による顧客満足度アップなど保証に付加する価値も大きい。営業面でも、顧客から故障による不具合についての不安を取り除けることは契約への後押しになるだろう。保証サービス以外の付加サービスの質についても、検討したい。

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