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米国キッチン新たな役割、作業場から"集う"場へ《米国キッチン&バス最新リポート》

米国キッチン新たな役割、作業場から"集う"場へ 《米国キッチン&バス最新リポート》

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~アメリカ キッチン&バス最新リポート Vol.2~

 米国のキッチン、バスの最新トレンドを紹介する本連載。第2回の今回は、前回に引き続き1月にラスベガスで開催された水まわり設備の国際見本市「KBIS」にみるキッチントレンドを解説する。今回はキッチンの新たな「役割」に注目した。

トレンド(1) カウンターテーブル

【写真1】Plato Woodwork
【写真1】Plato Woodworkは、アイランドスタイルのキッチンにカウンタースタイルのテーブルを取り付け、3脚のハイチェアとコーディネート。キッチンを"集う"場に変える流行のスタイル
【写真2】LA CORNUE
【写真2】LA CORNUEは、会話がしやすいようにフラットなテーブルにIHを組み込んだキッチンを展示
【写真3】electrolux
【写真3】electroluxもトレンドを意識したキッチンレイアウトを展示

ソーシャルな場所へ

 「キッチンは一人のための作業場でなくなり、もっとソーシャルな場に変わってきています。そこはみんなが集い、みんなで楽しむ場です」。 KBISを運営する業界団体「NKBA」のMARIA STAPPERFFENIプレジデントは、キッチンの役割が変化してきていると話す。

 見本市にも"集う"というトレンドを反映したキッチンの展示が目立った。

 1つ目が「カウンターテーブル」の導入。これは、アイランド型にレイアウトしたキッチンに、やや高めのカウンターテーブルを取り付け、人が集まって食事や会話ができるようにするスタイル。背が高く、スタイリッシュな椅子とコーディネートするのがトレンドだ。

 例えば、キャビネットメーカーのPlatoWoodworkはカウンターとシルバーカラーのハイチェア3脚をコーディネート(写真1)。一般的なダイニングテーブルは減少傾向にあり、このようなカウンターが流行している。コンロメーカーのLA CORNUEは、フラットなテーブルにIH調理器を導入し、スチールワイヤーのハイチェア3脚と組み合わせた(写真2)。調理、食事、交流を一体化したライフスタイルを演出している。

トレンド(2) アウトドア

【写真4】庭をイメージしたブース内に、キッチンを展示したtrue
【写真4】庭をイメージしたブース内に、キッチンを展示したtrue。外でもキッチンを中心に集うのがトレンド
【写真5】kalamazoo outdoor gourmet
【写真5】kalamazoo outdoor gourmetの庭でピザが焼けるオーブン

庭で料理を楽しむ

 2つ目の"集う"トレンドは「アウトドア用キッチン」。これは家の外でも料理ができて、家族団らんやパーティーを楽しむためのキッチン。

 冷蔵庫メーカーのtrueはブース内に人工芝を敷き、「アウトドアリビング」と名付けた2台のキッチンを展示した(写真4)。また、アウトドアのキッチンの専門メーカーであるkalamazoo outdoor gourmetは、庭に設置できるピザオーブンを展示した(写真5)。

トレンド(3) 高機能オーブン

【写真6】VIKINGは高機能オーブンを展示
【写真6】VIKINGは高機能オーブンを展示。手早く、本格的で、健康的な料理をしたいユーザーのニーズに対応する商品だ

プロ用設備が人気

 3つ目の"集う"トレンドは「高機能オーブン」の搭載。これは、ファミリーでより本格的な料理を楽しみたいと考えるニーズに応えたスタイル。主にプロのシェフ用にキッチン設備、オーブンなどを開発しているVIKINGは、「世界で最も早いオーブン」と打ち出したブースを展開。一般ユーザーでも手早く、プロ並みの調理ができるオーブンを多数展示した。

 CYNDI SAIAインターナショナルマーケティングマネジャーは、「最近は夫婦共働きが増えてきています。そのため、家族一緒に健康な食事を手早く作りたいというニーズが高まってきている」と話す。

 キッチンはただの調理場ではなく、人が集まり、暮らしを楽しめる場と考えるのが米国流だ。

―――≪連載1回≫ 米国は「ミックス」「欧風」「家具調」のキッチンがトレンド
―――≪連載3回≫ 米国、バスタブの「壁離れ」が人気  高機能から"浸かる"に回帰
―――≪連載4回≫ 米国ではキャビネットは自社製作
―――≪連載最終回≫ 水まわりリモデル、暮らしの数だけプランあり
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