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米国、バスタブの「壁離れ」が人気高機能から"浸かる"に回帰

米国、バスタブの「壁離れ」が人気  高機能から"浸かる"に回帰

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~アメリカ キッチン&バス最新リポート Vol.3

 米国のキッチン・バストレンドをリポートする本連載。3回目は、「バスルーム」のトレンドを紹介する。1月にラスベガスで開催された水まわりの国際見本市「KBIS」に出品された商品から、流行を探る。

洗面化粧台のトレンドは「宙に浮く」
洗面化粧台のトレンドは「宙に浮く」。これは洗面化粧台の足下の部分をなくして壁付けにしたもの。
部屋を広く、すっきりとした空間に見せられることが人気の理由
シャワーは、スパのような高機能さとインテリア性の高さを兼ね備えたものが人気
シャワーは、スパのような高機能さとインテリア性の高さを兼ね備えたものが人気。
BRIZO社は多種のシャワーヘッドを組み合わせたデザイン性の高いシャワーブースを展示した

外から家の中に

 「今米国では旅行のようなアウトドアに使う時間が減り、家の中での暮らしの質を見直す動きがあります。その流れの中で、バスのリモデルに関心を持つ人も増えています」。「KBIS」を運営する団体NKBAの前プレジデント、John Petrie氏はこう話す。

 同氏によれば米国では今、インドアの時間をよりよく過ごしたいと考える人が増え、バスタイムもシャワーで済ますのではなく、こだわりの浴槽にゆったりと浸かるようなライフスタイルが好まれてきているという。見本市で4つのトレンドが見られた。

浴槽を部屋の中心に

 1つ目は、「フリースタンディングバス」。これは浴槽を壁付けにレイアウトする従来型の間取りではなく、例えば部屋の中央にバスタブを置くような、より自由度が高いプランニングのこと。

 水栓メーカーMoenのPR担当CAROLINE氏は「今、お風呂を楽しむことがミニバケーションになってきています。壁付けにしない浴槽が増え、デザイン性に関心を持つ人も増えています。水栓までもインテリア性を重視して選ぶ傾向にあります」と話す(写真1)

【写真1】Moen社のフリースタンディングバスのコーディネート
【写真1】Moen社のフリースタンディングバスのコーディネート。浴槽のレイアウトは壁付けから自由になり、デザイン性の高い水栓とのコーディネートが流行。

 2つ目のトレンドは「『浸かる』への回帰」。KOHLER社では、様々な形状のバスルームを展示したが、中でも注目を集めていたのが底の深いバスタブだ(写真2)

【写真2】KOHLER社は深いバスタブを多数展示
【写真2】KOHLER社は深いバスタブを多数展示。ゆったり浸かれる点が人気。

 実際に浴槽の中に入って確かめる女性デザイナーも多かった。少し前まではジェットバスなど高機能性を売りにしたバスが流行したが、今はむしろじっくり浸かるという伝統的な機能を重視した浴槽を選ぶケースが増えているという。

清潔感ある白が人気

 3つ目は「エレガントな白」(写真3)。業界団体NKBAは所属するデザイナーに調査を行ったところ、最も好まれたカラーは白だった。白でも高級感のある質感や装飾のあるデザインが人気だ。カラーについては今後、グレー系のコーディネートもトレンドになると注目されている(写真4)

【写真3】白く、高級感のあるバスルームコーディネートをしたTOTO。
【写真3】白く、高級感のあるバスルームコーディネートをしたTOTO。
【写真4】グレー系のコーディネートが最近増えてきており、次のトレンドと予測されている(KOHLER社の展示)
【写真4】グレー系のコーディネートが最近増えてきており、次のトレンドと予測されている(KOHLER社の展示)

 米国ではバスルームの価値が見直され、"ミニバケーション・リモデル"が今後さらに増えていきそうだ。

―――≪連載1回≫ 米国は「ミックス」「欧風」「家具調」のキッチンがトレンド
―――≪連載2回≫ 米国キッチン新たな役割、作業場から"集う"場へ
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