≪テーマ : 2015年リフォーム会社に必要な戦略≫
~ こだわらない経営も重要 ~
◆今週のゲストコラムニスト◆
一般社団法人Jackグループ 蜘手健介代表理事
≪Profile≫1971年生まれ。岐阜県高山市出身。2003年、5社のリフォーム経営者が集まり事例交換を開始。Jackグループが生まれる。2010年全国に6ブロック制を導入し、理事会を発足。2013年一般社団法人化。現在の会員数は約150社。
3つの消費税対策
2014年は消費増税ショックと名付けてよいほど、住宅業界は大きなショックを受けた年であった。その分析の下、次の消費税対策として主体的にできるものは以下の3つが考えられる。
1つ目は何もしないという戦略である。何もしないというのは内部留保を厚くし嵐が過ぎ去るまで待つというということを意味する。売り上げ減があってもびくともしない財務体質であれば、何もしないというのは1つの有効な手段である。
2つ目は7掛け経営の実践である。7掛け経営とは「売り上げが70%になっても揺るがない経営」ということ。具体的には、1割ダウン、2割ダウン、3割ダウンとシナリオを想定し、その時に削減するコストや手段をくまなく議論。社内に公開しておくということだ。弊社では福利厚生費、特別手当、退職金増額積み増し分などがそれにあたり、今回はその分のコストカットをした。成長企業であれば資金繰りの一時圧迫も考えられる。
3つ目は反響営業に左右されない企業体質にすることだ。私たちは今回、避けることのできない外部要因からの影響がどれほど大きいかを実感した。工事品質や社員教育などをいくら徹底してももろく、それが吹き飛ぶほどの影響がある。技術系や古くから建築を生業にしている方には納得できないかもしれないが、プロモーションと集客における比重が高まっており、それはリフォーム事業のみならず全業種において重要視されることだろう。しかしプロモーションの手法を増やしたところで肝心の売り物が1つしかなければ、これも影響を受ける。
具体的対策としては、複数の集客手段と複数のカテゴリーをもつことだ。集客はチラシやイベントといった反響カテゴリーではなく、OB客リフォーム、テレアポ、不動産からの紹介などもあるだろう。リフォームだけではなく、不動産仲介、新築、太陽光等、特化せず扱うことも重要だと思う。
真の競争相手は
また今回の増税ショックで影響を受けたものが「不要不急」なものであるなら、影響が少なかったカテゴリーに「緊急必要」であるものがある。ローコストリフォームなどは典型的なその例であり、潜在ニーズにアタックできるノウハウがあれば客層がまったく違う売り上げが見込める。
正しい答えはもう見つからない。むしろ正しい答えなどない時代である。答えがない時代だからこそ真の競争相手は顧客と認識し、こだわらない経営も重要だと思う。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
WEB限定記事(2025/06/23更新)
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)1面
-
1653号(2025/06/16発行)10面