~アメリカ 取材リポート~
The ReBuilding Center(米国・オレゴン州ポートランド)
← Our United VillagesのShane Endicottエグゼクティブディレクター
DIYユーザー御用達、1日8トン分販売
自宅を自分で改装する"DIY"ユーザーから支持されているショップが、アメリカ・オレゴン州ポートランドにある。「リビルディングセンター(The ReBuilding Center)」と呼ばれるその店舗では、中古のリフォーム用設備・建材を販売。約4000平米の店舗内には、数万種のアイテムを展示販売している。
多種多様なアイテム
「1日300人ほどが来店し、8トンもの資材が売れていきます」。こう話すのは、「リビルディングセンター」を運営するOur United VillagesのShane Endicottエグゼクティブディレクター。この巨大な店舗では既存住宅を解体して集めてきたドア、キッチンキャビネット、トイレ、洗面化粧台、フローリング、照明、家具、タイルなどを販売している。
アイテム数は、「想像もつかないほど」ということだが、所狭しと並べられている状況をみると、数万種類はある。
利用者の9割以上はエンドユーザー。自宅を自分で改装する「DIY」に使うアイテムを探しにやって来る。取材時は20~30代とみられる若者の来店が多く、ある女性はユーズドのトイレを比較検討していた。
割安さと"宝探し"
リビルディングセンターが支持される理由は主に2つある。
1つは割安な価格。例えば、売られているドアは、安いもので5ドル。しっかりとした作りのもので20~50ドル。同氏は「値段は市場相場の50%~90%引き」と話す。
実はこのセンターを運営するのは非営利団体。住宅資材の再利用による社会貢献が目的であるため、価格も多くの人の手に届きやすいように抑えられている。
もう1つの人気の理由は、宝探しのような体験が味わえること。取材の最中にも次々と形や色、素材感が異なる多様な建材が運び込まれ、商品棚に陳列されていた。ユーザーはセンターに来るたびに新しいアイテムとの出会いがある。
「安いものから、立派なホテルで使われていた高級仕様なものまでなんでもあります」というように、この掘り出し物を探す感覚が人気だ。
さまざまなデザインの建具を組み合わせてできた入り口が目印
2000人のボランティア
これらの建材は既存住宅を手作業で解体して集めてくる。解体は約2000人のボランティアによって行われている。
センターでは使わなくなってしまう家があればどんな相談も受け入れている。なお、解体を依頼する家のオーナーは建材を寄付する形式なので、センターがお金で買い取るということはない。
リビルディングセンターは1998年にスタート。Endicott氏はこう話す。「既存の資源を使って、社会性があり環境にも良いコミュニティーづくりができないかと考えていたときに、このアイデアを思いついた。私たちも建材を以前は燃やして処理していたこともありましたが、やはりそれは有害なこと。日本でもリビルディングセンターのような活動にチャレンジしたい人がいれば、ノウハウをシェアします」

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