ジャパンソウル半導体(東京都新宿区)が開発した太陽光と同じ波長を再現したLED光源「SunLike」が、眼精疲労や近視の改善など健康に好影響をもたらす光として注目を集めている。すでに日本国内でも一部の住宅用の照明器具などで採用されているほか、美術館、水族館などの特殊施設でも導入されている。開発の背景と今後の展開について、同社の担当者に聞いた。
待ち望まれていた紫色LEDの開発
「SunLike」は、もともと美術品などの色彩を自然光同様、正確に映し出すために開発された光源だ。従来のLEDは青色励起という青色LEDに黄色蛍光体と、緑色・赤色の蛍光体を加えて白色光を出す発光方式だが、可視光線(ヒトの目が見えている光の波長)は、赤橙黄緑青藍紫の虹の7色で構成されており、青色LEDでは紫色などの波長が欠落していた。
それでは、物体を自然光の下で見たときと比較し、正確な色彩が再現されていない。一方、紫色のLEDによる紫励起という発光方式は、人が見えるすべての光を再現し可視光領域の正確な色彩を再現できる。そこで可視光領域を自然光に近づける開発を推進。木村好秀Vice Presidentは「製品化されるまでに10年くらいかかりました」と話す。イタリアのミラノのロイヤルパレスミュージアム、ポンペイ壁画、などで館内展示の絵画や美術品の色彩を正確に投影するため同製品が導入されている。国内でも、美術館や神社・仏閣などといった芸術品や調度品を数多く設置する施設で導入され始めている。
自然光に近い可視光領域を開発している過程で、「従来の光源と比較し、人間に良い影響があるのではないか」との仮説から、研究機関での調査を開始した。

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