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団塊世代の35%が退職金を住宅再生に

団塊世代の35%が退職金を住宅再生に

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団塊世代が動けば社会が動く

 リフォームユーザーの中心は、現在65歳以上の高齢者が約5割を占めている。日本の65歳以上の高齢者は年々増え続けており、2013年で総人口の約25%、4人に1人となっている。

 さらに高齢化が一気に加速してピークを迎えるのが、2016年。団塊世代(1947~1949年生まれ)の1761万人が高齢期ゾーンに入るからだ。全人口1億2751万人の1割近くを占めるボリューム層だから、常に「団塊の動きは社会のムーブメントを創る」と言われてきた。

 この高齢層の増加に伴い、リフォーム市場もさらに拡大していくと見られている。旧態依然の水まわり設備などをリニューアルするだけでなく、好奇心と人生を楽しむ意欲が旺盛なのが団塊世代だ。セカンドライフをより快適に楽しく暮らすために、手間と資金を惜しまない、大型リフォーム増加が見込まれる。

生きるを楽しむ旅・暮らし・趣味に貪欲

 博報堂が行ったアンケートによれば「引退後、退職金を何に使ったか」という質問に対し、すでに引退している団塊シニアは、国内旅行53%、海外旅行38%、住宅のリフォーム35%と、旅行や住まいに積極的に消費している傾向が見られる。このほかにも外食・グルメスポット探索、株・投資信託などの金融商品の購入、ドライブ・新車購入、投資や趣味と、「セカンドライフを楽しみたい」「楽しむためのライフスタイルを設計したい」と後半生にも貪欲なことが分かる(図2)。

退職後、実際には「退職金をどのように消費しましたか」と尋ねた。退職前の意向より、実際に退職金を使って行った割合が高くなっている。

退職後、実際には「退職金をどのように消費しましたか」と尋ねた。退職前の意向より、実際に退職金を使って行った割合が高くなっている。
※新大人研レポートV 2012.08.27 博報堂エルダーナレッジ開発新しい大人研究所

 一方、引退前のこの世代に「定年後にお金をかけたいものは何か?」と尋ねたアンケートでは(複数回答)、旅行、外食・グルメ、芸術鑑賞、住宅リフォーム、投資など、同じ内容ながら、その割合が違っていることが興味深い。住宅リフォームは、引退前には退職金で「したいと思っていた」割合より、実際にリフォームした割合が、3割以上増えているのだ。引退前は約25%が「しようと思う」だったが、引退後に実際に退職金をリフォームに使ったのは35%となっている。

 これと対照的なのが海外旅行。引退前には約48%が「行きたい」だったが、実際にはそれより10ポイント少なくなっていた。

 団塊シニアたちは、引退後のリフォームを積極的に行っていることが分かる結果だ。

「定年を機に住まいを変えたい」

 では、団塊シニアはどんなリフォームを望んでいるのだろう。
住宅設備機器・建材メーカーのLIXILの調査を見てみよう。2012年に行った東京・大阪に暮らす団塊世代へのアンケートでは「定年を機に住まいを変えたい」と思う人たちは、全体の約34%。そのスタイルを尋ねると「住み替え」が約53%と最も多く、次いで「リフォーム」が36%だった。

 これには、子供たちが独立して家を離れ夫婦2人だけで暮らす、逆に息子や娘たちの家族と二世帯で住む、といった家族構成の変化があると考えられる。
シニアたちは、セカンドライフを快適に過ごすために自分たちの家族サイズやケースに合わせた住まいにつくり変えたいと考えているのだ。

リフォームの施主は高齢者が多い65歳以上の高齢者の支出総額は減少しておらず、55歳以上の年齢層では総額の約4分の3を占める。リフォームの支出は高齢者層に多いことが分かる。

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