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シニア向け片付けサービス、定期的にゆっくり整理

シニア向け片付けサービス、定期的にゆっくり整理

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モノが部屋にあふれているが捨てられない―――。整理収納・片付けサービス会社サマンサネット(東京都江戸川区)の杉之原冨士子社長は、こんな悩みを抱えるシニアをサポートする片付けのプロフェッショナルだ。このほど、ミドル・シニア世代を対象とした新事業を開始。対話を重視した"ゆっくり片付け"サービスの展開に意欲を見せる。

設立から2年で2000軒の実績

 杉之原社長は、専業主婦を経て運送会社で引っ越し営業を担当。この経験を生かして引っ越し梱包サービスを始め、2011年8月にサマンサネットを設立。梱包・開梱、日常の片付け、家財回収・リサイクル、遺品整理の4つのサービスを展開し、これまでに約2000軒の実績がある。

 最近は、「親の家を片付けたい」「空き家物件があるが、モノが多いので整理したい」という要望が多く寄せられている。背景には、進展する高齢社会で、モノがあふれた住宅の急増がある、と杉之原社長は話す。

 「梱包や遺品整理などでお客様の家に入ると、モノにあふれた部屋が多い。玄関にまでモノがあふれていたり、押し入れにもぎっしり詰まっていたりします」

 同社を利用する4割以上が60歳以上のシニア層。杉之原社長は、シニアならではの片付けの悩みがあるという。「捨て方が分からないとか、重いものを外へ出せない、という声をよく聞きます。現代社会は、24時間いつでもモノが買え、宅配や通販で自宅に届けてくれる。家の中に簡単にモノが入ってくるが、その反面、家の外へ出づらくなっています」

モノを仕分けし、快適な生活空間に

 こういったシニアの悩みに応えたのが、新サービス「おかたづけ定期便」だ。このサービスは、シニア利用者の自宅を定期的に訪問し、片付けサービスを提供する。このとき重視するのが、利用者との対話による仕分け作業だ。対話することで、捨てるものと捨てないものを整理することを促していく。料金は、1回3時間で1万円弱に設定する予定。同社はシニア需要を開拓し、2014年度売り上げは約3億円を目指す。

 「シニア世代は、家の中にあるモノと向き合うことが大切。まず仕分けをし、使っていないものは別の場所に保管すれば、生活空間が快適になります。捨てられない自分を責める必要はありません」

 なお、杉之原社長は、現場経験から生まれた片付けのノウハウをまとめ、「片づかない!どうする我が家、親の家~ミドル世代の暮らし替え整理術」と題する書籍を出版した。四六判、232ページ。定価1500円(税別)。クラブハウス刊。

片づかない!どうする我が家、親の家~ミドル世代の暮らし替え整理術
杉之原社長のデビュー作。

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