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- > toolbox、模様替えからリノベまで200メニュー
「toolboxは自分の空間を作るためのワクワクする入り口」。こう話すのは、運営母体であるスピーク(東京都渋谷区)の林厚見共同代表。ウェブサイトにアクセスすると、部屋を改装するためのアイテムがずらりと並ぶ。「輸入壁紙施工道具セット ~自分で貼ってみよう~ 3880円から」「ガーゼカーテン ~一緒に暮らす心地よさ~ 4000円から」「廃材シェードランプ ~余生は照明で~ 6380円から」など。
toolboxトップページ。改装に使える200メニューを紹介。「定番」「レトロな味わい」「性能アップ」「日本の心」といったユニークなカテゴリから検索も可能。
DIYできるアイテムから、プロの業者の工事が必要なリフォームメニューまで、自分の空間を作るための商品が紹介されている。現在、取り扱うメニュー数は約200種(品番数では500種以上)。サイトを通じて購入・注文することができる。「模様替えから、フルリノベーションまで。DIYでやってもいいし、プロに頼むのもいい。それらに境目を設けないようにしています。エンドの方に対して、空間をいじるための手立てがこんなにあるということを伝えたい」
同サイトの月間PV数は約40万件。開設以来着実にユーザーを増やしてきている。月に約450件の注文があり、年商は2億円。購入者はユーザーとプロが半々。DIY用にユーザー自らが購入するケース以外にも、ユーザーがリフォーム中に同サイトを発見し、業者に購入してもらうという"施主指定"もある。中にはサイトを用いて、ユーザーにアイテムを提案しているリフォーム会社もある。
"脱均質"が基準
販売アイテムを選ぶ基準のキーワードとなるのが"脱均質"。サイトでは「脱均質の素材学」というテーマで、商品選びのコンセプトがこう語られている。「効率・合理性によって生まれた均質的な空間作りから脱して、作り手の手垢が残るような、一つ一つの傷も味の一つと思えるような愛着のわくモノを提供したい」
林氏は「ノークレーム、ツルピカな建材に囲まれてしまったことに対して『無垢の復権』。人は必ず一定の無垢的なものに囲まれていないとストレスを感じるはず」と話す。例えば、床材カテゴリでは、いわゆる均質的な建材である「フロアシート」のようなものはなく、多種多様な無垢フローリングが並ぶ。
利用シーンを紹介する「ピンナップ」ページもある。写真は足場板を購入したユーザーの施工例
ユニークな商品
販売ランキング上位の人気アイテムの1つが「継ぎ無垢フローリング」。無垢材の短いものを縦に継いでいて、さまざまなグレードの木材が混ざっている床材だ。価格は平米3950円。
「このような商品は一般的に評価が低いが、そのばらばら感が実は悪くない。そして無垢なのに、価格が断然安い」
もう1つの人気商品は「無垢床タイル」。無垢板を50角のパネル上にカットしたもの。既存の床の上に敷き詰めていくだけという簡単施工が特徴だ。賃貸でも無垢床の空間を楽しめるのが売りの1つ。その他、使い古した工事現場用の足場板も人気商品だ。床以外の、壁、天井、水まわり、収納、棚、塗料といったカテゴリ内にある商品でも脱均質なアイテムを紹介。このユニークな商品セレクトがサイトの魅力となっている。
誰もが内装を楽しむ
toolboxの現状はECサイトであるが、目指すのは空間作りのインフラ。来年からは、改装のシーンや面白いアイデアなど、空間編集のヒントとなる情報提供を展開。その上で、志ある工務店・職人のパートナーシップを広げながら、新しい「空間づくりの入り口」のあり方とソリューションを提供する。「誰もが内装を"楽しむ"、ということを当たり前にしたい」。

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