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神奈川県の中堅ビルダー、タツミプランニング(神奈川県横浜市)は、9月20日に日本初となる4面3Dプロジェクションマッピング(映写機で建物や空間にCG映像を流す技術) を用いたショールーム「la bola(ラ ボーラ)」をオープンした。視覚や聴覚だけではなく、嗅覚まで連動させた体感型のショールームで、新築の顧客だけではなく、リフォーム依頼者にも"家づくりの楽しさ"を訴求していく。
日本初の体感型ショールーム開設
来場者が同ショールームで「FIRST CORE」と名付けた受付を通った後に訪れるのが「DREAM CORE」と呼ばれる部屋。まずは住宅づくりの夢を見てもらうと同社は考える。
部屋は大きめのソファーがある真白な空間。座ると壁と床の4面を利用した約6分間の3Dプロジェクションマッピングがスタートする。制作は、東京駅のプロジェクションマッピングも手掛けた村松亮太郎氏が行った。内容はタツミプランニングの注文住宅「魔法瓶ハウス」工法や魔法瓶ハウスがもたらすさまざまな暮らしの効果。ただ、技術的な内容が流れるわけではない。あくまで"楽しさ"にポイントを置き、ストーリー仕立てで構成されている。
例えば断熱性の重要性をイメージしてもらうため、家が南極や砂漠に移動する。気密性を知ってもらうために、家が水に潜るといった具合だ。そして、映像はお客さんに渡された魔法の杖を振ることによって次の展開に切り替わる。感覚で、同社の家づくり要素を感じ取ってもらう中身となる。
映像を見たあとは、「CENTER CORE」と呼ばれる中央部分で、タツミプランニングを詳しく知ってもらう。ここにも仕掛けがあり、お客さん自身が操作できる大きなタッチパネル式のスクリーンを用意。そこにはグーグルアースで地球が映し出され、県単位まで拡大していくと複数種のアイコンが表示される。それぞれ、同社の施工例や訪問介護事業所、メガソーラー拠点などで、タッチすると詳細が表示される。広域に及ぶ同社の事業内容を知ってもらう仕掛けだ。
そして、お客さんが最後に行く場所が一段段差を付け、奥に設けた商談ブース。家づくりの詳しい説明、プランニング等を行う場所となる。「ライフイズトレジャー、つまり人生は宝物が会社のスローガンです。そのお手伝いのために新しいチャレンジに取り組んでいまして、面白い会社といっていただきたい」(米山茂社長)
同社グループの前期売り上げは約80億円。
≪ 米山茂社長×村松亮太郎氏 トークセッション ≫

(左)米山茂社長、(右)村松亮太郎氏
――テーマパーク感覚でショールームを作った狙いは。
米山 元々あったショールームはデザインや技術職をアピールできますが、会社の意思、思いが伝わる場所ではありませんでした。テーマパークのような空間で思いが伝わる場所
を作りたかったのです。家づくりは高額なので、お客さんは不安をもってきます。最初にやわらげ、楽しんでもらう。家づくりの素晴らしさを体感してもらいたいと考えています。
――プロジェクションマッピングでアクションまで取り入れた理由は
村松 今回、香りも合わせて体感してもらう形になっています。ただ見るのと、お客さんが中心となりアクションするのでは、体感の価値が違います。ただ、テーマパークのように楽しんでもらうばかりではなく、機能等も伝えなくてはいけない。そのバランスをとるようにはしました。
米山 南極や砂漠に行くなど、リアルのモデルハウスでは体感できない部分で機能を伝えています。
村松 人は理屈で納得をしますが、結局重要なのは心が動くか動かないか。理屈はその裏付けでしかありません。家づくりは夢じゃないですか。今回のプロジェクションマッピングルームは夢が膨らむとかそうした空間でないとだめだと考えました。

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