年々、住宅用太陽光発電システムの設置数が伸びつつあるが、機器の普及と比例してトラブルも増加傾向にある。ハウスメーカーの新築住宅を中心に年間1400棟以上の太陽光設置工事を行うミシマ(東京都大田区)は専門家としての技術を元にトラブルの発生を防いでいる。
太陽光のトラブルといえば、施工不備による雨漏りが一般的だが、齋藤勝社長は「太陽光は施工のトラブルだけではありません。プランニングの段階からリスクがあります」と話す。
プランニングにおいてトラブルになりやすいのが図面と実際現場との違い。図面上は6寸勾配と書いてあっても、実際現場にいくと4寸と傾斜が異なることもある。同じように南と書いてあった箇所が北だったという方角の違いも有り得るため、必ず現場を確認することが不可欠だ。つまり、リフォーム会社は、施主と契約をする前、施工店に現場調査をしてもらうことが重要になる。
「リフォーム会社の方がユーザー提案を行うため、図面上このパネルならいくつ載るといったパターンを提供することがあります。しかし、現場にいくと図面と屋根の寸法が異なる時がある。すると載るパネル枚数が変わってきます。工事当日まで現場を見ないと、そうしたトラブルにつながります」(齋藤社長)
また、施工当時は良くても将来、トラブルにつながるケースも。怖いのは住宅の劣化だ。
「経年変化により、結露でパネルを設置しているベニヤがスカスカになることがあります。すると保持力がなくなり、台風などの強風でスポッとパネル全体が飛散するケースも出ています」(同社長)
最悪の場合、パネル落下は人命に関わってくる。重要なことは、パネル設置後の設置面劣化も加味し、20年スパンで耐えられる強度となっているかどうかだ。そのためには下地の状態や垂木の位置といった十分な調査が必要となる。

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