500万基近い機器の交換需要を持つリフォームマーケットがある。下水道のないエリアの住宅に設置されている浄化槽がそれだ。トイレの排水しか処理できない単独浄化槽から、より処理能力が高く、住宅から出る生活排水全てを浄化できる合併処理浄化槽への転換は大きなビジネスチャンスになりうる。
いまだ470万基が手つかずの浄化槽転換市場
現在、単独浄化槽は全国に約470万基がある。排水処理システム・浄化槽販売のフジクリーン(愛知県名古屋市)はこの470万基に対する浄化槽転換リフォームを推奨している。
下水の無い24.2%の世帯にはくみ取り式のトイレを設置している住宅と、生活排水を浄化する浄化槽を設置した住宅がある。浄化槽を設置する住宅のうち、4割が合併処理浄化槽、6割が単独処理浄化槽である。
法改正で新設は合併処理浄化槽が義務付けに
2種の浄化槽は汚水の処理能力が異なる。単独浄化槽は、し尿処理しかできないため洗濯・風呂・調理等の生活排水は未処理で流される。合併浄化槽はし尿に加え、キッチンやバスなどから出る生活排水も全て浄化できる。単独の排水は合併の8倍の汚れがあり臭いも残る。
こうした環境面を考慮し、2001年に浄化槽法が改正、浄化槽の水質基準が厳しくなった。以来、新設浄化槽は合併が義務付けられた。
補助金制度の拡充で転換リフォームが加速
単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換リフォームには最小5人槽の場合でも最低70万円以上の費用がかかる。そこで各自治体には補助金制度がある。例えば5人槽で約33~60万円等だ。これにより浄化槽転換リフォーム件数が加速した。近年では、対前年比で110%のペースで上昇している。
単独浄化槽から合併浄化槽へ転換された年度別基数
フジクリーンは、当補助金制度を活用した転換工事とセットにした水まわりのリフォームプランを提案する。特に需要の高いトイレのリフォームと一緒に転換工事を行えば顧客の負担も少ない。同社開発の浄化槽なら既存の単独浄化槽のサイズと同じなので、設置する箇所を広げたりする付帯工事がなく、リフォームも容易に可能だ。今後、注目すべき市場といえる。

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