サーモカメラの診断技術を提供
建物の雨漏り、漏水を診断する赤外線技術向上協会(東京都足立区)が成長している。設立2年で会員による診断事例は800事例まで拡大した。現在15社が加盟する同団体には、全国の住宅、公共施設など、さまざまな建物について診断の依頼が集まっている。
サイディングでは漏れがわからない→サーモカメラでのぞくと水の経路がすぐわかる。赤と青の温度差は2度未満しかない
依頼者に結果を可視化
ある築古の公共施設。過去に複数の事業者が雨漏り検査を実施して、その度に工事をしてきたが雨漏りは一向に治らなかった。そこで赤外線サーモカメラを通して建物をのぞいたところ、侵入箇所を示す青い筋がさらに複数見つかった。
「こういった、雨漏りの原因が複数にわたる事例は意外と多いんです。赤外線による診断は、そういった建物の漏水や雨漏りの原因を究明する方法として非常に有効なんです」と話すのは小渕直一理事長だ。
同団体によると赤外線を診断に使うメリットは3つある。
1つは非破壊で、再現実験をしないで検査できることだ。サーモカメラを使えば壁の中にある水の通り道を見つけることができる。雨が降った後1週間程度であれば水が壁の中に残るので、撮影すれば温度差でわかるのだ。ただし、時間の経過で水と壁の温度の差がなくなってしまうので、そこで画像解析が必要となる。
「画像データの中で、温度差の範囲を細かく変えていくと、微妙な温度差でも見つけられるんです。2度未満でも鮮明にわかります」(小渕理事長)

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)19面
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
2025/06/20掲載
-
1653号(2025/06/16発行)3面
-
1653号(2025/06/16発行)3面