建設業界では創業地を地盤とする会社が多い中、商圏を縁もゆかりもない地に変えて成功した企業がある。1949年に愛媛県今治市で創業したが、現在は東京で事業を行う中央建設(東京都港区)だ。この東京進出がきっかけで年商は56億円に。進出前は年商1億円程度。実に50倍以上業績を伸ばし、その売り上げの9割が東京だ。
増収のきっかけはさまざまあるが、特に門戸を広げた採用活動による人材強60歳定年制で、その後は給料がぐっと下がりますが、私どもはそうせずに70歳定年制ということをやってきました」と渡部功治社長。大手で経験を積んだベテランが数多く入社。社員110人に対して、60代以上は約30人。さまざまな経験や実績を持つ人が増えたことで受注も伸びた。
渡部功治社長は「商圏変え」の狙いを話す。
「2005年に入社して、将来を考えていたら、地方はどんどんと人が減っていく。仕事も地縁などのしがらみの中でやらなければならない。10年ほど前に社長になった時、商売をするなら東京に行かなければならないと思った。最初はどこに水脈があるのかわかりませんでしたが、私は井戸掘りを苦にしない。我慢、我慢、耐えに耐えられたことで今につながっている」
6月の決算では70億円を見込む。110人の社員を近い将来、200人に増やすのが目標だ。

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