新築とリフォームを手がける武井工務店(埼玉県川口市)は、商圏を車で5分以内に定めた地域密着型の戦略で、業績を伸ばしてきた。1店舗のみで2021年9月期の年商は6億6000万円に。今期は9億円を見込む。アナログとデジタル販促を駆使し、商圏内で住宅と法人双方の受注を獲得できていることが理由だ。
【リポート/編集部 芦原拓・芝郁美】
職人の顔が見えるDM3回
武井工務店の戦略の一つ目が、商圏を絞り知名度を上げることだ。車で5分圏内、約2500世帯がターゲットだ。ここに頻度多く販促を行い、顔を知ってもらうことを徹底してきた。月に1度のニュースレター、野立て看板、小学校の木工教室でのボランティアなど地域貢献がそうだ。
コロナ禍ではさらに攻めた。月2回の新聞折り込みチラシを投下し、ニュースレターも月2回から3回に増やしてポスティング。これを1年間継続した。武井道明社長は「コロナで他社が広告出稿を控えるなかで、目立つと思ってあえて投資しました」と経緯を打ち明ける。社員13人中7人が自社職人。チラシや看板には、彼らの顔を掲載。「『あなたのことを見たことがある』と初めての方に言われる機会が多い」と、道明社長の弟である武井正明専務は目を細める。
戦略の二つ目が地域のニーズをくみ取ることだ。商圏内は工業地帯で、町工場や倉庫が多く、法人向けのリフォームも手掛ける。年商6億6000万円の内、約3億円が法人案件だ。細かい営繕から工場の外壁塗装、大型改修まで1年で300件ほど受注した。単価は最大で5000万円ほど。例えば、精肉店が古い倉庫を買って肉の加工場に改修した案件や、車の部品を作る会社が工場内にクリーンルームを設置した案件がそれぞれ4000万円に。
「コロナで売り上げが落ちた事業者が新規事業を始めるにあたり国から助成される補助金をそのままリフォームにあてがうケースも目立った」と武井専務は話す。自宅を改修した人が、次に自社工場のリフォームを依頼するなどシナジーも見込む。「地域を絞ったときに工場がいっぱいあるから、工場リノベをやったら勝てると踏みました。1階が工場、2階が自宅という自営の人で成功している経営者も多い」と、武井社長は続ける。
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