「おはようございます!」。始業時間に全員がそろっての「朝礼」を慣例化する企業は多い。情報共有やコミュニケーションの貴重な機会である一方、昨今は伝達手段の多様化や柔軟性のある働き方が浸透し、毎朝、社員が一同に介することの意義が問われている。各社はどのような朝礼を行っているのだろうか。ユニークな3事例を紹介する。
リフォーム会社の朝礼特集
「感謝」を言い合う25分
各地をリモートで接続して中継。中央が司会者
「ありがとうございますっ」、「ありがとうございます」。こんなに一度に感謝の声を耳にする機会はあっただろうか。朝から若い社員のハキハキとした声が、オンライン越しにこだまする。その数、23回。大分県で年17億円を売り上げる人気ビルダー・SAKAI(大分市)の朝礼に、弊紙記者が潜入したときの話だ。当事者でなくても、元気が湧き出てくるような時間だった。
同社の朝礼は25分間。施工現場に直行している社員などを除き、67人の社員全員が参加する。理念唱和、和談、売上・来店・反響報告、インフォメーション、グッド&ニュース、2分間スピーチ、社長の談話、感謝の言葉の8つのパートからなる。毎日、司会は持ち回りで一人が担当。各店舗やリモートワーカーがオンラインでつながれる。
特徴的なのは、誰かが一方的に発言するだけで終わらず、その場で応答するような場面が多い点だ。例えば最初に行われる「経営理念の唱和」。まずは同社の経営計画書の内容の一部を、社員全員で読み上げる。その後、司会者が一人の社員を指名し、その内容の一部についてクイズを出す。当てられた社員が正解すれば全社員から拍手喝采が送られ、間違えた場合は、新たに指名される別の社員が代理回答する。

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