かつて新築で伸び悩んでいた丸山工務店(埼玉県秩父市・年商4億6000万円)は、2016年に水回り専門店としてリフォーム業を開始。2019年には「LDKリフォーム」の販促に乗り出し、当時3000万円ほどだった売上高は4億円まで伸びてきた。その背景には独自のショールーム戦略がある。
工務店のリフォーム戦略 VOL.9
価格設定、明瞭に
6年前にリフォーム業を開始するにあたり、同社はまず水回り専門のショールームを開設。折り込みチラシの効果もあり、オープン4日間で150組が来客した。「ビックリしました。700万円ほどの投資額でしたが、4日間で2700万円の受注があり、初期投資費用を回収できました」と、廣瀬正美社長は振り返る。現在もコンスタントに毎月10~20組が来場する。
人気の理由のひとつは、周辺に専門店がないことだ。大手メーカー6社のキッチン6台、バス2台、トイレ9台、洗面化粧台3台を展示。秩父市の中心から車で1時間ほどのところに点在するメーカーショールームに対し、わずか15分ほどでアクセスでき、さまざまな住設を選べる点が地域住民に好評を博した。
実際に店舗を訪れてから、受注につながるのにも理由がある。住設ごとに工事費を一律で明記しているからだ。例えばキッチンの場合は工事費をすべて18万円に設定。顧客がLIXILシエラを選んだ場合は21万8000円を足して39万8000円に。価格に不明瞭な点がないため、顧客が即決しやすくなっている。
だが、水回りだけではやがて頭打ちになり、120万円ほどだった平均単価は2年後に半額以下に落ちてしまった。危機感を覚えた廣瀬社長は、外壁塗装のコーナーを設け、イベント時に塗装のセミナーを開催。これが奏功して平均単価も回復傾向にあった。しかし、今度は外壁塗装の下請け業者の元請け化が相次ぎ、競争激化に悩まされるようになった。
リフォーム産業フェア2022
丸山工務店
廣瀬正美社長
登壇決定!
日時:7月26日(火)10時30分~11時20分
会場:東京国際展示場(東京ビッグサイト)
[講演タイトル]
「住設展示のみ」から塗装、LDKの店に深化!年商3000万円から3.5億円に伸ばした工務店のショールーム戦略とは?
LDKパック商品化
同社が次に仕掛けたのは、LDKリフォームのパック商品化だ。間取りプラン、デザインテイスト、キッチンラインナップの3つをパターン化した。例えば間取りプランはI型14帖なら200万円、デザインはシンプルや和モダンなど4種類、キッチンはLIXILシエラが約22万円、これに施工費約18万円が加わり、単価は240万円ほどになる。

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