首都圏建設産業ユニオン(東京都渋谷区)は9月11日、「新たなる建設産業の構築、好循環にむけて」と題して、技能者の育成、定着に関する意見交換会を開催した。少子高齢化の進行により、大工は1980年の90万人超をピークに2020年は30万人弱、2035年には15万人以下に減少すると予測される。業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授と岡庭建設(東京都西東京市)の池田浩和専務らが参加し、若手職人の育成について議論を交わした。
大工の仕事の陳腐化がやりがい奪う
若い人が働ける
環境を
大工の育成と確保、大工の社員化などを討議
開会に先立ち、首都圏建設産業ユニオンの山本亨中央執行委員長が「第二次・担い手3法が6月12日の参議院本会議で可決、成立しました。未来に向けた施策が講じられることになります。我々の強みは訓練校を持っていること。若い人たちが安心して働ける環境を作っていきたい」と挨拶した。
次に、芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授が発言。「技能者の育成にむけて」と題し、意見交換のテーマとなる大工の育成と確保、大工の社員化、新しい大工像、生産性の向上、国産材の活用、先駆的な取り組みをしている工務店経営者の6項目について、現状と課題を解説した。
講演のなかで蟹澤教授は「パワービルダーは毎年、新卒職人を200〜300人採用しています。この状況が続くと、中小の工務店に来る若手の職人はごくわずか」と予測。新しい大工像と生産性向上に関しては、昔のようにのみや鉋を使う仕事は激減。現場でビスや釘、タッカーを打つだけと大工の仕事が陳腐化し、やりがいが見つけにくくなっていると話す。

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