シンクタンク2社が、当面のリフォーム市場規模について揃って拡大を予測した。富士経済、矢野経済研究所が相次いで発表したもので、消費税増税を見込んだ駆け込み需要を背景にリフォーム市場は拡大、富士経済が「2013年度、約8兆1900億円」、矢野経済研究所が「2013年は6兆3000億円から7000億円」と見込んでいる。
主要シンクタンクの調査結果比較
総合マーケティングビジネスの富士経済が実施した国内住宅リフォーム市場に関する調査結果によると、2013年度のリフォーム市場規模は約8兆1900億円で、2012年度に比べ5.2%増える見込み。その後緩やかな拡大が続き、2016年度には約8兆5500億円で、同9.9%増えると予測している。
一方、調査会社の矢野経済研究所が実施した住宅リフォーム市場に関する調査結果によると、2013年第3四半期(7~9月)の住宅リフォーム市場規模は、1兆7961億円で、前年同期比10.6%増と高い伸びを示した。第3四半期としては過去最高水準となった。
これに伴い、2013年全体の予測を、6兆3000億円から7000億円に上方修正した。2013年1~9月期の市場規模は4兆8866億円で、同10.5%増えた。この水準は2003年以来で、前年同期比で増えたのは2年連続。
富士経済の調査では、元請業態別のリフォーム市場や注目のリフォーム市場、リフォーム部材市場を分析し今後を予測するとともに、リフォーム事業者24社などの事例分析を行なった。まず、ベースとなる2012年度のリフォーム市場規模は7兆7884億円で、前年度に比べ3.4%増えた。これは、ハウスメーカーなどがリフォームへの注力度を上げたことや、増改築など複合的なリフォームが増えたことによる単価上昇が寄与した。
2013年度は消費税増税前の駆け込み需要、2014年度以降は反動減をはさみつつ、改修時期の住宅ストックの増加などで、リフォーム市場は緩やかな拡大基調が続く見通し。2013年度の主要業態別リフォーム市場は元請金額ベースで、住設建材系が1兆4950億円、ハウスメーカー系が6000億円などとなっている。リフォームメニュー別では、HEMSなどエネルギー関連機器導入などのスマートハウスリフォームが7571億円、全面改装を行うリノベーションが1920億円、断熱リフォームが2715億円などと予測。
一方、矢野経済研究所では、調査結果について「年初からの株価上昇等による資産効果が、住宅リフォーム市場にも好影響を与えた。来年春の消費税増税を見込んだ駆け込み需要が、これから本格化する可能性もあるため、2014年3月期までこの好調は継続する」と分析している。
住宅リフォーム市場の四半期の市場トレンド推移
住宅リフォーム市場の市場規模推移と予測

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