山万、ライフステージごとに住まいを提供

リフォーム後、新たな住まい手に販売

　約7300世帯が住む千葉県佐倉市のユーカリが丘。ここで新築や既存住宅の販売から介護施設、保育施設の運営まで、住まいに関わる様々な事業を展開しているのが山万（東京都中央区）だ。同社は、「ハッピーサークルシステム」という独自の住み替え制度によって、住宅の循環を実現している。

新築・中古住宅の販売や仲介からリフォーム、住宅の買い取りまで、
住まいに関するあらゆる相談を一手に受ける「住まいの総合案内所」

　「ハッピーサークルシステム」とは、ユーカリが丘で住宅を取得したユーザーが老後に至るまで、ライフステージに応じた住み替えをサポートするサービスのこと。中でも重要な役割を果たしているのは2つ。

　1つは、「100％買取サポート」。これは、ユーザーが有料老人ホームや同社が販売する住宅へ移住する際に、市場で販売される価格の100％で自宅を買い取るサービス。業者は、市場価格より安く買い取るのが一般的だ。さらに、同サービスを使えば、仲介手数料は無料。ユーザーは、スピーディに現金を手に入れ、ワンストップで住み替えられる。

　もう1つは「ユーカリが丘シニアハッピーサークルシステム」。こちらでは、ユーザーが高齢者施設等に住み替える際に、自宅を買い取ったり、転貸したりするサービス。転貸時の家賃収入が保証される移住・住みかえ支援機構の「移住住み替えシステム」を利用することも可能。

　仕入れた中古物件と賃貸物件は、同社がリノベーションを加えた後に販売や賃貸を行う。こうして、新築だけでなく、安価なリノベ物件や賃貸物件まで幅広い住まいのラインアップが揃うことで、他のエリアからの新たな移住やユーカリが丘内での住み替えが促進される。

　同社では毎年200戸の新築住宅をユーカリが丘で供給。さらに、50戸の中古住宅を買い取り、リノベーション後に販売。中古住宅の売買や賃貸の仲介を合わせて300件ほど取り扱っている。

住まいに直接かかわるものに加え、子育てや高齢者の暮らしをサポートするサービスを用意

　「若い方々と年配の方々のニーズに、あまり差が無くなってきたように感じます。そのため、バリアフリーを標準仕様としている我々の物件は、どちらにも対応可能です」（街づくり本部部長　小川智久執行役員）