- トップ
- > 不動産・デベロッパー
- > 有識者に聞く、建築と不動産業界なぜ分断?
≪テーマ: 建築と不動産業界、なぜ分断?≫
「融合に勝機あり」
◆今週のゲストコラムニスト◆
創造系不動産 高橋寿太郎社長
中古物件を買ってリノベーションして住みたい―――。こんな要望に応えるために物件探しから設計、施工までを担うリノベーション会社が増えてきている。しかし、「まだまだ少ない。建築と不動産の業界は分断している」と話すのが創造系不動産(東京都港区)の高橋寿太郎社長だ。同社では建築家と組んで、物件探しからリノベーションまでワンストップで対応する独自のビジネスを展開するほか、不動産と建築を融合させる方法などについての教育事業「スクール」も開催。さらに「建築と不動産のあいだ」(学芸出版社)まで発行し啓蒙活動を行っている。なぜ分断しているのか、聞いた。
建築家から信頼得るユニークな不動産屋
「建築と不動産が融合するとお互い儲かりますし、お客さんの満足度もものすごく上がる。だから私はタッグを組むべきだと主張しているんです」。高橋社長はもともと建築畑出身で一級建築士として活躍。その後、不動産会社として独立し宅地建物取引士の資格も持つ。いわば、建築と不動産両方のプロだ。
柱となる事業は不動産仲介事業だが、単に物件の仲介だけではない。顧客が求めるリノベーションを建築家と一緒に作り上げるというサービスを展開している。一般的な不動産会社と全く異なるのは、依頼のほぼ全てが建築家からという点。建築家からお客さんに合う中古物件や土地を探してほしいという相談が絶えない。これまで100を超える建築家から、不動産探しのパートナーとして、指名を受けてきた。「建築家の方から一番相談を受ける不動産会社ではないでしょうか」と言うほど、信頼は厚く、これまでタッグを組んで手掛けたリノベーション・新築は300件以上ある。
『武蔵境の家』 設計監理:DIMPLE建築設計事務所 堀泰彰
仲介の成約率8割タッグがポイント
そんなビジネスを手掛けてきた、高橋社長が思うのは「建築と不動産が連携することはみんなにとって良いからもっともっと業界を挙げて進めていくべきだ」ということ。なぜか。「建築家の方は土地や物件がないお客さんから相談が来ると結構困られる。私もやっていたので分かるんですが、『買ってきてからまた相談にきてください』と言ってしまったりするんですよ。というのも、物件探しにじっくり付き合ってくれる不動産会社がほとんどない。中古マンションが欲しいって言ってるのに、大手不動産会社に相談しに行ったりすると、儲けが出る『建売住宅』の案内に変わっちゃったりしますから」

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1636号(2025/02/10発行)15面
-
1635号(2025/02/03発行)15面
-
1635号(2025/02/03発行)1面
-
1634号(2025/01/27発行)4面
-
1634号(2025/01/27発行)3面